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北朝鮮のミサイル発射で円売り、リスク資産回避の動きも
北朝鮮がミサイルを発射したことを受けて、東京市場では、地政学的な懸念から円が売られたほか、リスク資産を避ける動きもみられ、株式が売られ債券が買われている。
今回の北朝鮮のミサイル発射は6月12日に米政府当局者が早期の実施の可能性を指摘したが、その後、時間の経過とともに「市場はミサイルを発射しないと見ていた」(日興コーディアル証券・エクイティ部部長、西広市氏)だけに警戒感が急速に広がった。
早朝の外為市場では「現段階では米国ファンドなどを中心にボラティリティの高まりを避ける形でドルへ資金が回帰する動きが強まると考えられる」(JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジスト、佐々木融氏)として、ドル買い/円売りの動きが強まり、ドルは115円前半まで50銭超急上昇した。ユーロ/円も147円29銭まで買われ史上最高値を更新した。
一方、資産市場では、株式売り/債券買いの動きとなった。日経平均が134円33銭安で寄り付いたほか、債券市場では中心限月が14銭高の131円38銭で取引を始めた。
「安全への逃避という条件反射によって国債市場への資金退避が拡大するとの思惑」(三菱UFJ証券・チーフ債券ストラテジスト、石井純氏)が表れた格好だ。
ただ、総じていまのところ市場は過剰反応はしていないため、日銀の金融政策には影響はない、との見方が大勢だが、北朝鮮の瀬戸際外交ともいえる行為に市場は神経質になっている。
(ロイター7月5日=東京)
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