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中国へ旅行する人々は、上海や北京の高層ビルに惑わされ、中共が過去に犯した罪を忘れてしまっている(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)

ニューヨーク・タイムズ紙:歴史の重要性、『中国の教訓』一書を推薦

 【大紀元日本8月16日】ニューヨーク・タイムズ紙は8月6日、書評コラムでジョン・ポンフレット氏(John Pomfret)の著作『中国の教訓:5人の同級生と新中国ストーリー』(Chinese Lessons: Five Classmates and the Story of the New China)を紹介した。同書は、中共が極力過去を忘れようとし、中国の伝統を破壊し、人民に対して犯した罪を全面的に公開も謝罪もしていないと指摘している。

 書評を書いたオービル・シェル氏(ORVILLE SCHELL)は、ポンフレット氏が同書の中で「自分の同級生を含む、多くの中国人が中国の歴史を回顧してはならないと考えるのは何故か?」と疑問を投げかけていることに注目している。

 ジョン・ポンフレット氏は、中国に数十年間滞在し、ワシントン・ポスト紙の北京支局長を務めるなどベテランの中国ウォッチャーである。同氏は著作の中で、中国の驚異的な発展は人々を惑わし、矛盾を隠し、人々はそれを感じなくなっていると指摘している。毛沢東時代の文化大革命や、89年の天安門事件など、中共がこれまでに行ってきた数々の失政について、中共は国民に対する公的な謝罪を行っていない。中国ではメディアが厳しく統制されており、誰も中共の歴史について、オープンに議論することはできない。過去の罪過を無視したまま中国が責任ある、偉大な国家となることができるのだろうか?

 1920年代、中国の5・4運動によって知識層が伝統文化と対立し、西洋科学、民主主義を信奉するようになる。その後、社会主義が台頭した。1930年代、蒋介石および国民党は新しい東西合併政権を創ろうとしたが、1949年の毛沢東の勝利によって、中国は革命的な「全体主義」へと傾いていった。1980年代、実用主義を主張する鄧小平が、独裁政権下の資本主義をもたらした。これらの度重なる政治構造の逆転によって、中国は文化的な絶滅に瀕し、方向を見失っているとポンフレット氏は指摘する。

 1989年の天安門事件から中国は大きく疾走してきたが、自らの伝統的価値観をも破壊し、モラルの低下は甚だしい。ポンフレット氏によれば、道徳観の欠如がすべての進行を妨害しているという。

 中共は過去に直面することを選択するのか、または歴史を隠し続けることを選択するのか。中共の将来にとって、それは非常に重要であろう。

 文化大革命の時に、いわゆる「階級の敵」を殴打、迫害したことのある元紅衛兵は、ポンフレット氏に対し、次のような言葉を語った。「このような(暴力的な)行為が許されていた、いや、強制的にやらされていた社会は、救われると思うのか?自らを救うことができると思うのか?」

 中国共産党は、これに答えるどころか、未だその疑問さえも投げかけていない。

(記者・馮靜)


 (06/08/16 00:37)  





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