北越製紙<3865.T>の独立委員会は8日、王子製紙<3861.T>の敵対的TOB(株式公開買い付け)に対抗するため、買収防衛策の発動を取締役会に勧告したと発表した。これを受け北越の取締役会は、買収者にあたる王子の北越株保有株割合を薄めるために新株予約権を発行するか否かを検討する。
北越紙は王子紙がTOBを開始した今月2日、買収防衛策の発動の是非を検討するため独立委員会の招集を要請した。2日以降、独立委は4回開催され、今回の決定に至った。
独立委の佐藤歳二委員長は8日夕、記者団に対し、王子について「独立委員会の存在そのものを無視しており、まことに遺憾」と述べた。同委の勧告を受けて北越の三輪社長は「勧告に従い慎重に検討する」との方針を示したという。
北越は、王子が北越の買収防衛策に示したプロセスを無視してTOBを開始したと主張。さらに、7月23日に王子が開示資料のなかで、北越の取締役会が買収防衛策として一方的に定めたプロセスに「(王子が)従わなければならない法的根拠はいささかもない」との意見を示したことと、8月1日の開示資料で北越の防衛策を「法的根拠のない」ものとみなしたため、独立委メンバーの「3人全員一致で(防衛策発動の勧告を)決定した」(佐藤委員長)としている。
北越が7月19日に導入した買収防衛策では、北越の株式を20%超買い付けようとする買収者が現れた場合、買い付けを始める前に北越に対し、必要情報や買付け説明書を「北越の定める書式により提出しなければならない」としている。また、最長で30日間の検討期間を設けたうえで、買収者や北越の取締役会から提供された情報などをもとに、独立委が、買収者による提案と北越の取締役会の事業計画との比較検討を行うことになっている。
しかし、独立委は「(王子が)最初から(プロセスを無視してTOBを)やってしまっている」(佐藤委員長)ことが問題と判断した。
北越の取締役会は今回の勧告を受け、新株予約権を発行し王子以外の株主に無償割り当てすることで、王子の持分比率を薄める措置などを取ることができるが、独立委は北越の取締役に対し、実際に新株予約権の発行をする際は「既存株主に影響のあることなので、時期も考えたうえで慎重に判断するよう指示した」(佐藤委員長)という。
北越の買収防衛策は、王子が7月3日に北越に対して経営統合を提案した後(同19日)に導入された。東京証券取引所の西室社長も7月末の会見で、北越が王子による経営統合案を受けた事実を知らせずに東証に防衛策に関する助言を求めていたことに関して「適切な情報開示が行われなかったことは極めて残念」と語るなど、問題視する声がでていた。
買収防衛策の妥当性を問われる局面が来た場合に北越がどう対応するかについて、独立委の佐藤委員長は「妥当性は株主総会で審査されることになっている。途中で何らかの裁判となれば、それは裁判所が判断することだ」と語った。
(ロイター8月8日=東京)
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