米高級住宅建設大手トール・ブラザーズのロバート・トール会長兼最高経営責任者(CEO)は6日、ロイターとのインタビューで、米住宅セクターの減速は数年間続く可能性がある、との見方を示した。住宅供給が過剰になっていることに加え、米政府の外交政策や連邦政府の対応能力に対する懸念で消費者信頼感が低下しているためという。
トール会長は、現在みられる住宅価格の下落や販売戸数の減少について、一部アナリストが予想する「ソフトランディング」よりも深刻と指摘。価格回復に3年以上要した1980年代終盤を思い起こさせる状況だと述べた。
トール会長はロイターに「これはソフトランディングではなく、それ以上に深刻だ」と言明。ただ「崩壊(crashing)しつつあるわけではない」とも述べている。
会長は、テロリズム、イラク戦争、ハリケーン「カトリーナ」への政府の対応をめぐる懸念が、住宅の需要や消費者の信頼感全般を冷やしている状況だと主張した。
米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が発表した8月の消費者信頼感指数は99.6と今年最も低い水準に落ち込んだ。
トール会長は、米国は洪水への備えが十分でなかったとし、さらに、イラク関連で続く悪いニュースが追い討ちをかけており、それが米国消費者心理に影響を及ぼしている、との認識を示した。
トール・ブラザーズの第3・四半期(5―7月)決算は、供給過剰を背景とする価格下落や住宅購入意欲の減退を背景に19%の減益となった。
トール会長は、住宅市場が回復する時期の予想を示すのは控えたが、回復局面を迎えれば、景気拡大や移民流入を背景とする累積需要によって、減速局面と同じように急ピッチで持ち直すだろう、と述べた。
会長は、米経済は好調との認識を示し、いまの住宅市場減速は、金利や失業率といったこれまで住宅需要の減退をもたらしていたマクロ要因では説明できない特異なケースと指摘した。
トール・ブラザーズでは、2006年10月期(05年11月─06年10月)の純利益を7億2500万─7億6500万ドルと、前年度の8億0600万ドルを下回ると予想。
また来年については、建設戸数が7000─8000戸、平均価格は63万5000─64万5000ドルと予想し、今年の見込み(建設戸数8600─8900戸、平均価格68万5000─69万ドル)を下回るとみている。
[ワシントン 6日 ロイター]
(06/09/07 09:55)
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