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九寨溝の長海(大紀元)

【世界の奇景・絶景 先人から未来への贈り物】
九寨溝

 【大紀元日本9月21日】先人は私たちに、神業としか思えない建造物やハッと息をのむような絶景を残してくれた。私たちは、これらを自分たちのエゴで絶やすことなく、後世に伝えていかなければならない。なぜなら、これらは、先人から【未来】への贈り物だから。

 九寨溝(きゅうさいこう)は、四川省の省都・成都の北400kmに位置し、岷山山脈に連なる標高2000~4300mにある渓谷である。手付かずの原生林の中に、宝石のような大小108の湖と、滝や泉が延べ50kmにもわたって連なっている。森にはパンダや孫悟空のモデルと言われる金糸猴(きんしこう)が棲み、「神話の世界」とも言われる秘境の地である。岩に含まれるカルシウムの影響で、透明度30mという湖もあり、その鏡のように反射する湖面が回りの山や滝を映し出し、カナダやスイスの景色を思い起こさせる。谷(溝)に沿ってチベット族の九つの村落(寨)があることから「九寨溝」と呼ばれる。

 九寨溝はもと、チベット族が自給自足の生活を営む静かな原生林だったのが、1984年に対外的に公開されてから急速に開発が進み、道路が整備され、近くに空港が作られたことによって、年間100万人以上の観光客が訪れる一大観光スポットとなった。1992年にユネスコの世界自然遺産に登録されたこともそれに拍車をかけたようである。

 ただ、観光客の急増に伴なって、環境の悪化が進んだ。観光用道路をつけるために多くの滝がつぶされ、湖には橋がかけられた。周りにはホテルが林立し、そこから出される汚水やごみが、九寨溝の命ともいえる水を急速に汚染し始めた。また、昔から代々その地でつつましく自然と共生してきたチベット族の人々の暮らしも観光業がもたらした現代的利益観念によって完全に破壊されてしまった。このような状況から、20年後には九寨溝はなくなっているであろうと予測する専門家もいる。

 神が与えてくれたこの美しい自然を、私たちのエゴで破壊してはならない。早急に対策を講じ、もとの美しいままで未来に伝えなければならない。
九寨溝の真珠の滝(大紀元)
九寨溝の箭竹海、周りの山々が湖面に映える(大紀元)
九寨溝の五花海、湖底に石化木が見られる(大紀元)


 (06/09/22 08:00)  





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