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10月19日、ソニーの06年度ゲーム事業赤字2000億円に倍増、電池回収は960万個。写真中央は記者会見する大根田伸行執行役CFO(最高財務責任者)(2006年 ロイター/Yuriko Nakao)(ロイター)

ソニーの06年度ゲーム事業赤字2000億円に倍増、電池回収は960万個

 ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は19日、2007年3月期の連結業績予想を下方修正すると発表した。7月時点で1300億円と見込んでいた営業利益は500億円に減額する。新型ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の国内での価格引下げによるコスト増などにより、従来1000億円超と説明していたゲーム事業の赤字幅が、2000億円前後に拡大。また、パソコン向けリチウムイオン電池の自主回収・交換に伴い、約510億円の引当金を計上する。電池の回収個数は960万個を想定している。

 当期純利益も、従来見込みの1300億円から800円に減額。売上高は従来予想の8兆2300億円を据え置いた。ゲーム事業の赤字幅拡大は、1)PS3の国内価格変更で160億円、2)PS3の機能追加で140億円、3)携帯機「プレイステーション・ポータブル(PSP)の販売不振を主因に300億円──の合計600億円の各マイナス要因が積み上がったことによる。

 ソニーは従来、07年3月期のゲーム事業について、PS3の発売当初は、開発費用の先行負担により、1000億円超になると対外的には説明していが、内部では1400億円の赤字を想定していた。また、PS3の欧州での発売延期により、同機に搭載する半導体の生産稼働率が低下し、主力のエレクトロニクス事業で330億円のコスト増を見込むとしている。 

 ソニーの大根田伸行執行役CFO(最高財務責任者)らは記者会見し、過熱・発火事故に伴い、大規模な自主回収をすることになった電池問題は、業績への影響では一時的な問題だと強調。液晶テレビやデジタルカメラなどが好調なことや、ゲーム事業でのコスト削減を通じて、「来年度は大幅な利益改善が期待できると考えている」と述べた。為替が対ユーロや対ドルで円安に振れたことや、テレビの販売好調などで07年3月期で540億円の営業利益のプラス要因があったが、電池の自主回収がほぼ帳消しにした形だ。

 回収を想定している電池は、米デル(DELL.O: 株価, 企業情報, レポート)や米アップルコンピュータ(APPL.O: 株価, 企業情報, レポート)など、ソニーを含めた国内外のパソコンメーカー向けの約800万台のほか、電池パックとしてメーカー向けとは別に販売したものが約160万台あるという。電池の自主交換に伴う経営陣の責任に関しては、原直史広報担当役員は、「現時点で決定しているもの、検討しているものはない」と述べた。

 ソニーの電池問題では、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)が、電池自体の交換や輸送費など直接的なコストに加え、販売機会の逸失など間接的なコストの賠償請求を検討している。ソニーは、東芝から賠償請求に関する打診があったことを認めた上で、今回計上した510億円の損失ではそうしたコスト負担は含めていないとしている。

[東京 19日 ロイター]

 (06/10/20 08:14)  





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