米政府は10日、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)で凍結されている北朝鮮関連口座の資金約2500万ドルについて、マカオ当局が凍結を解除したことを明らかにした。米は、北朝鮮に対し、2月の6カ国協議の合意文書に盛り込まれた「初期段階の措置」として寧辺の核関連施設停止措置を期限である4月14日までに履行するよう求めた。
北朝鮮は、核関連施設の停止は凍結解除が条件と主張していた。
米国務省のマコーマック報道官は10日の記者会見で「説明はマカオ当局者に委ねるが、結論として、マカオ当局はこれら(北朝鮮関連)口座の凍結を解除し、認められた口座名義人が資金を引き出すことができるということだ」と述べた。
マカオ金融当局は声明文を発表したが、凍結解除には触れていない。ただ、日本の共同通信が、当局者の話として、口座名義人は自由に資金の引き出しや送金をできるようになった、と伝えたほか、BDA関係者も、北朝鮮関連口座の資金の取り扱いは名義人の自由と述べている。
BDAの北朝鮮関連口座の資金が凍結されたのは2005年。米政府が、BDAを北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与していると指定したことを受けた措置だった。
北朝鮮は、2005年9月の6カ国協議で核計画の放棄で合意したものの、この事実上の金融制裁措置に反発し、その後1年以上にわたって協議への復帰を拒否し続けた。
昨年10月に初めて核実験を実施した北朝鮮は今年2月に6カ国協議に復帰。2月の6カ国協議は、北朝鮮がエネルギー支援を受ける見返りに60日以内に寧辺の核関連施設を停止するといった内容の合意文書を採択した。
しかし、BDAに凍結されている資金がいっこうに解除されないことに怒った北朝鮮は、3月の6カ国協議を途中退席して帰国、協議は再び休会となった。
<初期措置の履行期限をめぐる「懸念」>
北朝鮮が、凍結解除にどのような反応を示すか、また期限通りに初期措置を履行するかどうかは不透明。米政府は、期限までに北朝鮮が核関連施設を安全に停止するには時間が足りないかもしれない、との認識を示した。
6カ国協議の米国首席代表を務めるヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、ソウルで記者団に「(マカオ当局の)措置を歓迎する。それは公正な措置だと考えているし、いまこそ非核化の道に戻る時だと思う」と述べ、凍結解除は「まさにかれらが望んでいたものだ」と指摘した。
米国務省は、一方的に期限までの履行を北朝鮮に要求することはせず、寧辺の核関連施設を期限の14日までに安全に停止できないこともあり得る、との見解を示している。
マコーマック米国務省報道官は、寧辺の核関連施設を安全に停止するための「技術力の壁にぶちあたっていることは理解している」とし「14日になれば分かる。関係当事者全員が期限に間に合うよう行動すべきだ」と述べた。
ソウルでヒル米国務次官補と協議した中国首席代表の武大偉外務次官は、期限に間に合わないかとの質問に「その懸念はある」と述べた。
ヒル次官補は、12日と13日に北京で北朝鮮の核問題について協議した後、14日にワシントンに戻る予定。米国務省は、6カ国協議のメンバーが週末に初期措置の履行期限が守られたかどうかについて協議する可能性があると述べたものの、具体的な予定は立っていないとしている。
ヒル次官補は11日、北朝鮮を今週訪問していたリチャードソン米ニューメキシコ州知事とソウルで会談する予定。
米NBCテレビは、北朝鮮当局者が、リチャードソン知事に対し、凍結解除されれば、国際原子力機関(IAEA)の査察団を受け入れる姿勢を示したと伝えている。
[ソウル 10日 ロイター]
(07/04/11 10:45)
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