中国:環境汚染で食品問題にさらなる危険性

2007年08月30日 09時31分
 【大紀元日本8月30日】中国の食品安全問題に関心が集まる中、さらに深く潜む危険性が明るみになってきた。一部の専門家は、長年の工業汚染により、中国の農地と水源は、食品安全に更なる問題をもたらすと分析している。米国VOAが報じた。

 中国の食品安全は経済問題だけでなく、国内外において敏感な政治話題になりつつある。食品安全のスキャンダルが頻発している中、人々の注目は往々にして、中国の食品安全への監督・管理と企業の社会的責任・良識の欠如に集中しているが、専門家は、中国の食品安全の隠されている最大の危険性はモラルやシステムの欠陥だけではなく、深刻な環境汚染による土地と水源への破壊であると指摘している。

 数十年の間、環境保護を考慮せずに生産活動を続けてきたため、中国工業生産部門の向上から排出される有毒物質は土地と水源を深刻に汚染している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は中国人学者のここ2年間に国内外で発表された文章を引用し、「中国の土壌と水源は深刻な工業汚染を受けている。さらに、汚染は食糧や野菜、果物までに及ぶケースが数え切れないほどある。深刻なのは、広東省佛山地区の水銀とカドミウムに汚染された野菜、甘粛省白銀市周辺の4つの地区でカドミウム、鉛と銅に汚染された農作物。人口が密集する四川省重慶市の20の地区でカドミウム、鉛に汚染された農作物」などと報じた。

  カドミウムは、腎臓機能に障害を生じさせ、骨が侵される。日本ではカドミウムによる環境汚染で発生したイタイイタイ病が問題となった。その発がん性も指摘されている。人体に大量の鉛を蓄積すると、腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすほか、溶血性貧血・ヘム合成系障害・免疫系の抑制・腎臓への影響なども引き起こす。

 中国当局が最近に公表した調査結果によると、広西省南寧市平陽地区の水源と土地は、付近の工場が排出する重金属元素の影響を受け、現地栽培の水稲のカドミウム含有量は法定基準の20倍に達する。

 中国の水源と土壌の汚染は主に、工業排出の排ガスと廃水によるもの。石炭の燃焼で電気を生産する発電所は、水銀含有量の高い排気ガスを空気中に放出、雨を介して、地下に浸透、土壌と水源を汚染している。重金属含有量の高い化学肥料を大量に使用することも、土壌の性質を変え、大量の鉛と亜鉛を土壌に沈殿させる。

 米国外交関係委員会の環境問題専門家イミン氏は、『河が黒くなる:環境は中国未来への挑戦』の著者。同氏によると「中国都市部の水源の9割が汚染されている。中国の都市部を経由する75%の河には、魚が生存していない」と指摘し、中国当局の資料から、「国内の川水の3割は、農業用水と食品加工業には使用できない」としている。

 環境汚染問題について、国際社会から非難されている中国当局も最近、深刻な水源と土壌汚染問題の存在を認めた。国土資源部の声明文は、「中国は、3040万ムー(約200万ヘクタール)の土地が汚染され、耕作できる農地の10%を占めている。重金属汚染の食糧は、1万3百トンに達する」と公表した。

 中国の土壌と水源汚染による食品安全問題はすでに、国際社会の関心を集めている。米農業部の資料によると、全世界の果物と野菜供給の12%は中国からである。中国から米国への農産品輸出額は、1980年の1億3千3百万ドルから、2006年の26億2千6百万ドルに激増している。

 米国食品・薬品管理局(FDA)の政府関係者によると、2005年にカリフォルニア州で中国産果物の重金属含有量が高いと検出された。すべての品物が押収・回収されたという。

 

 
(記者・叶子総合報道)


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