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2008年3月12日、土埃が煙る北京の「鳥の巣」。深刻な大気汚染は五輪に参加する選手たち、特にマラソンなどの種目に参加する選手に健康に対する不安を持たせている。すでに多くの選手が五輪辞退を宣言しているという(AFP)

人間掃除機?大気汚染で年間30万人死亡=中国

 【大紀元日本4月7日】中国気象局専門家によると、深刻な大気汚染のため中国の都市に住む人々は、例えるなら掃除機のように1日に1人あたり15立方メートルの空気をろ過しているようなもので、有毒な大気となるスモッグにより毎年30万人の死者をだしているという。専門家の予測では、このペースで行くと、あと2,3年で深セン、広州などの人々は正常な呼吸が出来なくなり、1952年ロンドンで発生した「スモッグ事件」の二の舞になるという。これは中国が世界の工場となったことに付随する深刻な環境破壊の代価であると言える。

 「南方週末報」によると、中国大陸の気象専門家は最近、大気汚染問題に注目するよう呼びかけており、特に珠江デルタと長江デルタ地域では近年の無軌道な都市の急速拡張と、工業発展が引き起こす環境への過度の負荷のため大気中に各汚染物質が蓄積し続け発癌性のあるスモッグが形成されたという。

 
広州市はいつも有毒な埃に包まれている。写真は2005年12月1日の広州(AFP)

WHO(世界保健機関)は大気中の汚染規定を1立方平方メートルで20マイクログラム以下の浮遊粒子としているが、大陸の住民の58%は100マイクログラム以上の汚染された空気の中で生活している。さらに恐ろしいのは国際基準で制限された直径2・5ミクロンの微粒子は最も毒性が強く、ヒトの気管支、肺深部に大きなダメージを与えるという。しかしながら中国の空気測定基準にはこれらの項目がなく、結果、環境部門は相変わらず空気の質は優良であると伝え、公衆は有毒な空気の中で呼吸をしている。

 これらの微粒子がスモッグの主要成分である。データによれば、2006年深セン市では365日中164日スモッグが発生し、2007年になると231日に増加している。広州、南京など多くの都市ではスモッグがますます深刻になっているという。国家環境保護部門専門家は2004年大陸の都市は大気汚染が原因で35・8万人の死者を出しており、この死亡者数は近年少しも好転していないと指摘している。

 
2007年11月5日の北京。昼間でも、まるで夜のように暗く、太陽は汚染された空気の中で怪しげな赤い色に見えている(AFP)

研究によれば、浮遊粒子が肺がんを引き起こすまでの潜伏期間は8年で、専門家はロンドンでの悲劇が中国で再び繰り返されるという警告を人々に呼び掛けている。1952年12月、ロンドンでは連続5日有史以来最悪のスモッグが発生し、この5日間で4700人が呼吸器疾患で死亡、この事件後数日間でさらに8000人以上の死者が出たという。

 
汚染された池で遊ぶ広州の出稼ぎ労働者の子供(2005年5月31日)(Getty Images)

米国夷財務長官ヘンリー・ポールソン氏は、最近の中国科学院での講演の際、世界銀行の資料から中国の環境汚染が深刻であることを明らかにした。世界20ヶ所の最も汚染が深刻な都市の中の16ヶ所が中国の都市である。中国の水質も悪化し続けており、90%の河川には汚染が見られ、62%の河水が魚類の生存には適さないという。

 
(翻訳・坂本)


 (08/04/07 08:34)  





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