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アサヒビール名誉顧問の中條高徳氏(大紀元)

アサヒビール名誉顧問、戦争や共産圏の実態などを語る

 【大紀元日本4月20日】アサヒビールの名誉顧問の中條高徳氏はこのほど、東京千代田区のボランティアセンターの「昭和のくらし勉強会」で講演を行った。同氏の終戦直後の体験を紹介し、戦争に対する見方や、アジアの共産主義国家による日本への影響
勉強会で講演する中條氏(大紀元)
などについて、見解を述べた。

 中條氏は、戦争が不特定多数の大勢の人々の命を奪うと繰り返し強調し、「戦争の勝ち負けは力勝負のものであり、正義の勝ちであるかどうかとは直接関係がない」と述べ、戦争は人類の最悪の敵であると指摘した。

 また、第二次世界大戦後の共産党陣営の状況について、「共産主義の国は、いままでのその歴史をみると、悲惨な政治を行ってきた。宗教を絶対に否定し、すなわち、人間性をぼろ滅させようとしている。そして、1991年、ゴルバチョフ氏は共産主義のその限界性を感じ、国民を率いて立ち上がり、旧ソ連で共産主義を崩壊させた。つまり、共産主義は旧ソ連で完敗した」と指摘し、「アジアでは、北朝鮮と中国が日本にとって最も脅威のある共産国家である。共産圏の実権はいまの日本人が考えているほど容易なものではなく、凄まじくて過酷である。綿密な情報封鎖、反体制派の粛清が厳しく行われている」「20世紀は戦争の時代とも言われているが、しかし、共産主義の国での死亡者は戦争犠牲者の数倍になるのは確実である」などと指摘した。

 また、中條氏は1989年の天安門虐殺事件の実例を挙げ、中国当局による国民への圧制について、以下のように説明した。「1989年当時、正義感に満ちた大学生たちは当局幹部の様々の汚職に強く怒り、立ち上がった。しかし、国民が同じ行動を取らなかったため、運動が失敗に終わった。日本に帰化した知り合いの中国人は当時の北京大学の学生だった。その時に、この国を捨てようと決心して国を出た」という。その中国人は「自分は中国を捨てたのではなく、一党独裁の共産党政権を捨てた」ことから、日本に帰化する際に、まったく躊躇しなかったという。

 毎年、文化庁の依頼を受け、日米中韓四カ国の高校生を対象とする意識調査を行っている日本青年研究所の調査結果を、同氏は引用し、「いまの日本では、物質的な生活が非常に豊かになっているが、若者たちは向上するエネルギーが弱くなり、忍耐力がなくなっている。周辺の北朝鮮による拉致問題や、中国当局による尖閣諸島の領土問題などにまったく興味がなく、自分と関係がないとしている。その根源は教育にある」と述べた。

 記者が2008年北京五輪の開催への見解を求めたところ、先生は、オリンピックにはルールがあり、正常の国家ならばそれに従わなくてはならないと述べ、いまの中国当局はそれを遵守せず、チベットなどの少数民族を弾圧し続けていると語った。

 講演終了後に、先生の著書「孫娘からの質問状―おじいちゃん戦争のこと教えて」のサイン会が行われた。

 中條氏は1927年長野県に生まれる。陸軍士官学校60期生である。学習院大学卒業後、アサヒビール㈱入社。 1982年 常務取締役営業本部長として同社の再生計画を率いて、大成功を収めた。 1988年には、 同社の代表取締役副社長に就任、その後、アサヒビール飲料㈱会長を経て、 現在はアサヒビール㈱名誉顧問を務めている。

 
(記者・呉麗麗、翻訳・叶子)


 (08/04/20 01:39)  





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