【大紀元日本9月29日】9・11同時テロ以降の米国介入以来、未だ国内の治安状況に混迷の続くアフガニスタンの駐日特命全権大使であるハルン・アミン氏(39)が26日午後、笹川平和財団(SPF)の招きにより、都内虎ノ門の日本財団内で講演、演題「テロとの戦いにおける地域的側面」の中で、パキスタン軍の統合情報部がテロとの戦いに障害となっており、特にタリバン戦士養成の温床がパキスタンの宗教的な私立学校組織「マドラサ」にあると糾弾した。
アフガニスタンの治安維持にあたるISAF(International Security Assistance Force)は、2003年8月よりNATO軍が指揮を執っており、その投入される戦力も徐々に増大、2007年10月には4万人超となったが、治安の悪化により兵力は7万人まで増強されることが視野に入っている。大使は、この現状の事態を打開できない閉塞状況は、隣国パキスタンのISI(軍統合情報部)がタリバンの通行に便宜を図っているものだとして米軍当局の不快感と焦燥感を指摘、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯をパキスタン軍当局に委ねたことが間違いの元であるとの認識を示した。
パキスタン軍の統合情報部は、旧アフガニスタン・タリバン政権の生みの親とも称され、タリバン出身者が多いパシュトゥーン人系で多くが構成されている。かつては旧ソ連軍によるアフガン侵攻時にムジャヒディーン(イスラム抵抗戦士)を資金や装備だけでなく物心両面で支援してきた経緯があったが、親米派のムシャラフ政権誕生から国内では「闇の組織」としてシビリアンコントロールの必要性が指摘されていた。
大使がタリバン養成の温床と指摘する「マドラサ」は、元来がアラビア語やペルシャ語などで「学校」を意味するものであったが、政府が教育を保障できない場合には、一般的にイスラム社会の中で私立の宗教組織が教育機関を組織した。この場合、宗教的な教えを注入することが眼目とされ、パキスタン内のマドラサでは、生徒に対する原理主義の注入がタリバン戦士養成の基礎となっていると批判されている。
現在、世界の金融大国としてその中枢機能を果たしてきた米国であったが、中東での二正面作戦は出口の見えない袋小路として泥沼化しており、その戦費が国内経済のハンドリングに暗い影を落としていることは確か、合わせて中東作戦地域からの帰還兵がPTSD(心的外傷後ストレス障害)で社会問題化される現状に、「第二のベトナム」と揶揄する米国の識者は少なくない。折しも、米大統領選では、「撤退」を標榜する民主党のオバマ候補が、「駐留と勝利」を標榜する共和党のマケイン候補にわずかながら優勢を保っている。いずれにしても、パキスタン国内のこうした問題をクリアしない限り、テロとの戦いに終止符を打つことは難しい。
(記者=青嵐)
(08/09/29 14:56)
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