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ほぼ満席となったシンポジウム会場(大紀元)

緊急シンポジウム「ウイグルで何が起きているのか?」:期待するのは「毅然とした日本」

 【大紀元日本7月29日】中国広東省韶関の玩具工場で6月26日に起きた漢族によるウイグル人襲撃殺害事件に関連して、7月5日、新疆ウイグル自治区のウルムチで、その犯人を逮捕するよう求めるウイグル人により、五星紅旗(中国国旗)を先頭に掲げた平和的なデモがおこなわれた。中国共産党当局は、これを海外の分離独立主義者による「暴動」であるとし、大量の武装警察と治安部隊を投入。水平射撃を含む武力行使によって鎮圧した。

 中共当局は、「ウイグル人の暴徒によって漢族住民が重大な被害を受けた」ことなどを鎮圧の理由の一つとしている。しかし、中国国内の報道の全てを管制する一方、外国メディアに取材の便宜を図るなど誘導ともとれるような側面もあり、中共当局によって恣意的に操作された情報が先行している現状は否めない。

 このような中、ウイグルで起きている真実を明らかにするため、26日、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで、日本ウイグル協会主催による緊急シンポジウムが開催された。

 
世界ウイグル会議日本全権代表・日本ウイグル協会会長イリハム・マハムティ氏(大紀元)

世界ウイグル会議日本全権代表で日本ウイグル協会会長イリハム・マハムティ氏は、次のように述べた。

 「今回のことは、中共がウイグル人を支配してきた60年間の怒りの爆発である。しかも、それを挑発して爆発させたのは中共自身だ。60年前から中共は、生産建設兵団として大量の漢族をウイグル人の土地へ送り込み、良い農地と貴重な山の水源を奪った。法律上は『自治区』だが自治はなく、水を使うためには中国政府に金を払わなければならない。ウイグル人の大学生のうち中国共産党に関係する5%を除いて、95%は卒業イコール失業なのだ。希望を持てないウイグルの若者の中には、覚せい剤や犯罪へ走るものもいる。注射器の回し射ちのため、HIV感染によるエイズ発症率では、河南省より10年遅いはずのウイグル地域が中国国内で最高になってしまった。ウイグル語で教育する権利も奪われた。未婚のウイグル女性が安い労働力として大量に中国内地に送られているが、これらは明らかに同化政策だ。しかし、このような実情を中国政府に訴えれば、たちまち『民族主義者』にされてしまう。先日の広東省の事件では、漢族は5時間もウイグル人を殴り続けたが警察はそれを制止しなかった。それでも我々は10日間、中国政府の回答を待ったが何の回答もなかった。中共から見れば我々は人間ではないのだ」

 
チベット文化研究所所長ペマ・ギャルポ氏(大紀元)

また、チベット文化研究所所長ペマ・ギャルポ氏は、次のように言う。

 「イリハム氏が話したウイグルの実情は、これまでチベットで起きたことと同じだ。また中共政権に虐げられているという点では中国人民も同じであろう。日本の人権派と呼ばれる人たちは、なぜ中国の人権迫害を告発しないのか。見て見ぬふりをすることは、加害者に加担するに等しい。中共の悪政は長く続かない。日本は、中共政権に対して延命治療をするのではなく、厳しく、毅然と接することが大切だ」

 
評論家・石平氏(大紀元)

中国出身で現在は日本国籍をもつ評論家の石平氏は、次のように述べた。

 「中共はウイグル人に対して、六四天安門事件と同じことをやっている。あの時、平和的に民主化を求めた若者を、戦車まで出して手当たり次第に殺した。20年経っても中共の本性は何も変わっていない。その本性とは、権力を守るためには殺人でも何でもやるということだ。中華人民共和国とは一体何だったのか。それは人類史上の悪の帝国の、さらに悪い部分を集めてできた北京政権による国家なのだ。日本は、道義だけでなく、国益を含めた国策としてウイグル・チベットを支援することが求められる。太平洋の制海権を狙う中共に、日本は毅然として対するべきだ」

 
台湾研究フォーラム会長・永山英樹氏(大紀元)

台湾研究フォーラム会長・永山英樹氏は、中共の情報宣伝について次のように語った。

 「中共の生命線は、暴力とそれを正当化する宣伝にある。つまり被害者をあたかも悪者にしてしまうのである。しかしそれは同時に、中共のアキレス腱でもある。それは嘘だ、と言えば良い。一方、中共の宣伝を守っている翼賛的なものがあることも視野に入れなければならない。中共に騙されないために、批判能力を持つことが必要だ」

 
独立総合研究所代表取締役社長・青山繁晴氏(左)、ジャーナリスト・チャンネル桜キャスター西村幸祐氏(大紀元)

独立総合研究所代表取締役社長・青山繁晴氏は、次のように述べた。

 「まず6月26日に広東省の玩具工場で起きた事件の背景について、私が調査したことを述べたい。出稼ぎに来たウイグル人と報道されているが、実は強制的に送られて来たに等しい。政府の命令に従わなければ年収の数倍の罰金が科せられるからだ。工場の敷地内に住まわされている実情は、言わば自由のない収容所だ。同じ工場で働く漢人女性がウイグル人に暴行されたというデマが飛び、それに刺激されて膨れ上がった三千人の漢人が、棍棒や中華包丁を手に、そこにいた200人のウイグル人に襲いかかった。この三千人という数字はあまりにも大きいが、複数の情報を精査したところ間違いないようだ。次に7月5日ウルムチで起きた事件について疑問点を指摘したい。中共当局は、五星紅旗を先頭にして平和的にアピールするデモ隊に向かって水平射撃を浴びせ、瞬時に鎮圧した。ところが世界に配信された映像には、なぜか鎮圧されたはずのウイグル人が集団でバスを破壊する場面などが映っている。普段からウイグル人に見える『暴徒』を訓練しておき、その破壊・放火の場面を海外メディアに撮らせた可能性が高い」

 発言者の最後にジャーナリストでチャンネル桜キャスターの西村幸祐氏は、戦前の日本人が持っていた気概や誇り、アジアを愛する気持ち、各民族を愛する気持ちを現代の日本人が取り戻すことが大切であり、それがアジアの安定を守ることになると述べた。

 会場は、今回の事件に高い関心を持つ参加者約200人で満席に近い状態であった。 
(牧)

 (09/07/29 01:26)  





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