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ハーパー首相とローリーン夫人、北京のカナダ国際学校にて(PMO photo by Jill Propp)

「中国に人権問題提起、なにが悪い」 カナダ首相への国内批判に反論

 【大紀元日本12月13日】カナダのハーパー首相訪中で、中国の温家宝首相が異例のハーパー批判をしたことを受けて、カナダの評論家や野党が、ハーパー首相批判を展開している。カナダ国内での首相批判に、中国の人権擁護団体や首相官邸の情報筋は、中共の権威主義はハーパー首相の人権擁護強硬路線を批判しているものの、対中貿易は成長していると反論する。

 的外れの国内批判

 ハーパー政権の強みを認識せずに中共に同調する国内での批判に対して、トロントの中国民主主義支援協会のチェック・クワン(Cheuk Kwan)会長は「中国にへつらうことは、対中関係の強化にはつながらない。国民が自国の首相を支持せず、逆に首相を批判して中共寄りになっている」とし、中共政府の思うツボにはまるかのようなカナダ国内の批判に不快感を示している。

 クワン氏は、これらの批判は、ハーパー首相の政策の欠陥を指摘しているわけではなく、機に乗じているだけと指摘する。「人権のことを全く語らず、貿易交渉に専念するよう要求している。国家権益を顧みずに、ゲリラのようにハーパー首相を攻撃している。中国にへつらっているようで心配だ」

 ハーパー首相の対中姿勢を「無知」とまで批判する野党からのバッシングに対して、4日、首相官邸の情報筋は、「いったい彼らは何に反対しているのだろう。人権におけるカナダの外交方針に反対なのか。特定の人権問題を提起することに反対なのか。ダライラマの名誉市民権に反対なのか」と記者に疑問を投げかけ、野党は問題を政治的に利用していると批難した。

 むろん、野党政治家が全てハーパー首相の人権擁護のスタンスに反対しているわけではない。最近、カナダ議会で結成された全党議員による「法輪功友の会」は、ハーパー首相の訪中に先駆け、人権問題を提起するよう要請している。

 強硬路線が中共政権対応のカギ

 カナダ在住の女性ジャーナリスト盛雪氏は、「人権や法規など、カナダの価値観を確固として提起することは、中国とのビジネス交渉にプラスになる」と指摘する。「中共政権は、自国民を弾圧し、外交面でも弱く見える国はつぶしにかかるが、すぐにつぶれない国に対しては慎重に対応し、真に強い国は尊敬する」

 「世界各国は、中国がいまだに権威主義の政権下にあることを認識する必要がある。民主主義体制の普通の国と同じように扱うことはできない。中共政権に対して強硬に出れば出るほど、カナダは中国から多くを獲得できる」と盛氏は見解を示している。

 動じないハーパー首相

 ハーパー首相は、温家宝首相の批判に動じることなく、翌日の上海でのビジネスマンに向けた重要な演説でも、カナダは「人権改善において声を上げる擁護者であり、効果的なパートナーであり続ける」と明言した。

 ハーパー首相は06年の就任以来、公に中共政権による人権侵害を批判してきた。カナダ国民のフセイン・セリル(Huseyin Celil)氏が中国で投獄された案件などを含む中国での人権侵害に関して、懸念を公に提起したことから、ハーパー政権と中共政権の関係は冷却したと見られてきた。

 2006年に中・カ首脳会談が直前にキャンセルされた際、ハーパー首相は「人権問題を犠牲にしてまで中国との貿易関係を発展させる意向はない」と表明。今回のハーパー訪中における温家宝首相の異例の批判は、簡単に丸め込むことができないハーパー政権への報復とみられる。

 栄える中・カ貿易

 今回の訪中で、ハーパー首相は中国の4ヶ所にカナダの貿易オフィスを開設すると発表。また、カナダ産の豚肉輸入禁止の解除と、カナダを中国の団体旅行客の観光目的国として認定することも合意に達した。この2つの合意は、カナダに1・5億ドルをもたらす可能性がある。

 ハーパー首相の就任以来、2006年から2008年にかけて、カナダの対中輸出は33・1%成長し、2008年のカナダの対中輸出額は2000年比の3倍にのぼる。

(カナダ国会議事堂専属記者Matthew Little、翻訳編集・山崎/鶴田)


 (09/12/13 05:00)  





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