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湖北省宜昌でニンニクの袋づめをする農民(AFP)

土壌悪化で食料危機?=中国

 【大紀元日本3月9日】中国大陸では、世界の10パーセントの耕地が、世界22パーセントの人口を支えている。このため、通常でも食料不足の傾向にある。しかし、農地を休耕せずに長期使用したり、化学肥料、工業廃水による大量汚染により、土壌が急速に悪化している。長期的に、農産品の質と量に大きな影響が出ることは必然的で、30年先には、農村人口の3~4億人が都市部に移り住むことになるだろうと予想される。

 英紙「ガーディアン」によると、中国国務院農村経済研究部長の韓俊氏は、30年後の都市人口の全国人口に占める割合は、現在の47パーセントから75パーセントに増加し、住宅、道路その他のインフラ建設のための土地整備にこれらの人口は利用されると予測している。肉類や穀物、乳製品の消費は増加し続けるため、今後の食料確保が大きな課題であるとし、「土壌の質の悪化は深刻な問題。質の向上は、耕作地の保護同様に重要だ」と述べている。

 中国の土壌悪化の元凶は、不適切な耕作技術と工業汚染だ。農民の耕作技術が時期に遭わないと大量に化学肥料を使用しているため、中国の農地の1ヘクタールに撒かれる窒素肥料は世界平均の2倍にもなる。そして、全土の10分の1の農地は重金属、有毒物質などの工業廃棄物により深刻に汚染されていると考えられている。

 中国発の汚染調査で工業廃水よりも化学肥料による水質汚染の方がひどいことが判明したため、対策をとると政府は2月に発表している。しかし韓部長は13億の人口を抱える中国で、化学肥料に頼らない耕作は難しく、使用を控えることは可能だが、全く使用しないというわけにはいかないとして、現在、農民に、科学的な耕作方式や天然肥料を多く利用する指導を試みていると話している。

 食糧生産量増加のため、最近中国政府は2種の遺伝子組み換えによる新品種の稲の使用を許可し、さらに農業分野での起業家が、ロシア、カザフとキルギスなどの近隣国の土地を購入し耕作することを認めた。

 ここ6年、中国の穀物は大豊作だが食用油のほとんどを輸入に頼っており、昨年は米国、ブラジル、アルゼンチンから4200万トンの大豆を購入している。

 都市と農村部の貧富の格差が拡大するにつれ、農村人口は都市へと移動し続けるため、食料の安定確保が中国当局の大きな課題となっている。しかしながら中国共産党政権は、8・5億人の農村人口が、生産効率の高い大型農場を設立する動きは望まない。零細農の方が統治に有利であり、政権の安定がはかれるからである。

 韓部長は、「息をつく暇はない。我々は食物の需要と供給のバランスが脆いこをは承知だ。現在、政府が需要と供給のバランスを無理に取っているが、このバランスは張りつめたもので、容易に壊れてしまう可能性があると述べている。

(翻訳編集・坂本)


 (10/03/09 08:37)  





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