【大紀元日本4月20日】このほど、吉林省大学の科学者が、現存する中国最古のミイラのDNA研究を通して、東洋人と西洋人は、4千年前かあるいはもっと早くから血縁融合していたことを発見した。新疆ウイグル自治区小河墓地のミイラは混血であると判明。
この結論は吉林大学遍彊考古研究センター古DNA実験室責任者、生命科学学院の周慧教授と研究チームによるものである。
英生物学専門誌『BMCバイオロジー』に掲載された、吉林大学、新疆考古学研究所、復旦大学、米ペンシルバニア州州立大学科学者らが共同発表した研究結果によると、新疆小河墓地のミイラは混血であり、欧州とシベリアの遺伝標記を持っている。
スウェーデンの考古学者が1934年に、新疆のタリム盆地付近の枯れた川底で墓地を発見した。その後、墓地は66年間消失し、2000年、中国の探検隊により再び発見された。
考古学認定により、この墓地は上下合わせて5層の167の墓群からなっていることが明らかとなり、中からは大量のミイラ、動物の死骸、植物の遺物や副葬品が発見された。この墓の主はおよそ3千5百年から4千年前に死亡しており、現在発見されている墓としては最も古く、もっとも保存状態が良い。
吉林大学の科学者は05年からこの墓地のミイラの遺伝子分析を開始し、4年以上の研究を経て20のDNAサンプルを摂り出すことに成功した。研究員らはミイラ達の大部分がアジア人群と西欧人群のDNAの特徴を備えていることを発見しており、アジア人群は主に中国北方やバイカル湖地区からのもの、西欧人群は欧州からのものであるという。
周教授は、「新疆の古人類群は東洋・西洋人群の混合体である。このことは4千年前の文字による記載がない頃、東洋・西洋人の間ではすでに行き来や雑居が始まっており、血縁も結ばれていた事を物語っている」と、この地区のミイラのDNAには、すでに西洋遺伝子の特徴と東洋遺伝子の特徴が存在していることを解説する。
新疆地区は世界人群移動の歴史上で、最後の到達地点の一つに挙げられる。周教授は小河の早期人群は、南シベリア青銅期の人群と密接な関係があると推測している。混合の最初の発生地はおそらく南西シベリアのある地区であり、「西へ移動するアジア人と東へ移動する欧州人が出合い、彼らの間で婚姻の習慣が発生した。」
過去、多くの人が新疆早期の住民は主に欧州人であるという認識を持っていた。また、今から2千年前、前漢の張騫が使節として西域に赴き東方と西方の文化交流が始まったという説も、世界的に認められている。
(翻訳編集・坂本)
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