THE EPOCH TIMES

「反中ではなく反中共だ」 中国週刊誌、石原慎太郎氏インタビュー果敢報道

2010年10月21日 08時36分
 【大紀元日本10月21日】石原慎太郎。中国人にとっては、すぐさま『日本の右翼』『反中勢力』『軍国主義者』『民族主義者』などと連想する名前。しかし日中関係が緊張する現在、中国のネット上で、「愛らしい爺さん」「政治的な頭脳があるね」など石原知事を評価する声が上がっている。

 中国の報道規制をぎりぎりに守りながら、最も大胆に報道するメディアとして多くの読者の支持と同業の尊敬を受けている南方報業グループ。その傘下の「南方人物週刊」はこのほど、新たに果敢な報道に挑んだ。中国では「反中勢力」の代表格として批判されてきた東京都知事・石原慎太郎氏への単独インタビューを果たしたのだ。18日付の南方人物週刊は石原氏が表紙を飾っており、「あなたの知らない石原慎太郎」と題する記事がトップに掲載された。

 記事では、石原氏が自分は「反中国ではなく、反 中国の共産主義」などと述べた。中国人の今までの石原印象を覆す言論が如実に書き留められており、読者の間で大きな反響を呼んでいる。「愛中・反共か」「この憎らしい右翼がなぜか好きになった」などインターネット利用者らが石原知事のことを熱く語った。

 当然のように、発表されてまもなく、今回の記事も当局に封鎖され、南方人物週刊のホームページや所属する南方報業ネット、ポータルサイトの騰訊ネットや新浪ネットなどからその姿を消した。

 インタビューは先月、日中の尖閣諸島をめぐる衝突の最中に行われ、発行は日中関係の緊張が再燃した18日だった。「相手を知ることで、相手に応対する方法を知る」ことを取材目的としているが、石原氏に貼られたレッテルを剥がし、真の石原像に迫ることも主旨だという。

 記事の冒頭で「石原慎太郎というと、中国人はすぐ『日本の右翼』『反中勢力』『軍国主義者』『民族主義者』などと連想するだろう」と石原氏に対する中国人のマイナスな印象を提起しながら、これらのレッテルでは語り尽くせるような人物ではないと展開させた。「彼は政治家であり、小説家でもある。彼は反中と同時に反米、ある意味では反日でもある」と紋切り型な石原像を破り、率直で鮮明な個性の持ち主である石原慎太郎氏を中国の読者に呈した。

 中国のメディアに定義された「反中勢力のパイオニア」について、石原氏に感想を求めたところ、石原氏は「僕は中国の歴史や文化が好きだ。しかし、中国の共産主義が嫌い」「中国は反対しないが、共産党支配下にある中国は、日本にとって脅威となる」などと述べた。

 共産党や共産主義を中国とは分けて考えている石原氏の論点は素晴らしいと、ラジオ自由アジア(RFA)は四川省作家・冉雲飛氏の言葉を引用して評価した。「中国政府は国民に『中国=中国共産党』『反中国共産党=反中国』という誤った図式を植え付けており、反共産党の人を反中勢力だと攻撃し、国民の愛国感情を利用している」と指摘し、南方人物週刊のインタビューがこの論点を勇敢に掲載したことを評価した。

 また、石原氏はインタビューの中で、人間にとって「自由」が最も大事だと述べた。そのため、自由のない独裁国家は嫌いで、戦時中の日本も嫌いだと語った。また、アメリカと中国の高圧的な態度に嫌悪感を抱いていることを表明し、尖閣諸島問題で中国が5回にわたって日本の駐在大使を呼びつけることは、日本に対する侮辱行為だと批判した。さらに、中国経済の発展で高揚した若者のナショナリズムが中国政府にとって悩みの種でもあると指摘し、中国当局はその感情を利用したい一方、抑制しなければならないため、進退両難の立場に立たされていると分析している。

 元北京大学教授・焦国標氏がラジオ自由アジアに対し、中国国民に異なる声を届けることが重要だと述べた。「特に中国に異見のある人の考えを知ることは大事である。交流のない、乱暴な情報遮断は時代遅れで、荒唐無稽なやり方だ」と当局を批判した。

 作家の冉氏は、南方人物週刊が日中紛争の真ただ中でインタビューを敢行し、さらに、中国政府を批判する言論を含めたインタビュー内容を掲載発行したことに対し、「とても大胆で、敬意に値する行動だ」と称えた。同時に、すぐには処罰が及ばないにしても、いずれ内部処罰の形で処置が命じられるのではないかと懸念している。

(翻訳編集・張凛音)


関連キーワード
^