THE EPOCH TIMES

党大会開催中 各地で政府黙認の反日デモ 北京有事?

2010年10月18日 11時38分
 【大紀元日本10月18日】中国共産党第17期第5回中央委員会全体会議(5中総会)が15日、北京で開幕した。翌日、国内の多くの都市で大規模な反日デモが行われた。党大会開催中の時期に社会の「維穏」(治安維持)は最優先されるため、今回のデモが起きたのは異例のことだ。

 先週、中国西安市では多くのメッセンジャー「QQ」の利用者に、16日午後に反日デモを行うとの情報が届いた。呼びかけ文章に「メディアが報道する」と書かれていた。デモ自体禁止されている中国では、つまり、デモ敢行について政府の黙認を得
先週、中国西安市では多くのメッセンジャー「QQ」の利用者に、16日午後に反日デモを行うとの情報が届いた(ネットスクリーンショット)

ていることを意味している。また「日本で大規模な反中デモが爆発」との一行も、なぜデモを16日にしているのかの原因が伺える。この日、日本で反中抗議デモの予定があるためだ。

 16日、西安で「日本製品ボイコット、釣魚島を守る」をテーマに掲げたデモは、計画通り同市中心地で行われた。警察のパトカーを前にした隊列は2キロにもなり、約1万人が参加した。ほとんどは若者だった。先頭に立つ学生らに聞いたところ、学生会が組織したと答えた。「バスさえ私たちに道路を譲っているよ」と興奮気味の学生らが、日本系のスポーツウェア専門店MIZUNOを襲撃した。ガラスが割れ、製品が燃やされ、隣の中国製品を扱う店までも被害が出た。

 同じ日、成都市、杭州、鄭州でも反日デモが行われた。

 注目に値するのは、同じ日に日本でも反中共デモが敢行された。敵対する組織の間で互いに相通じていたとは言いにくいが、「今日俺はお前に反対、お前は俺に反対だ」と計ったのだろうか? 尖閣列島漁船衝突後、やっと突風もなく波も穏やかとなった現在、なぜ突然、こういった現象が出現したのか?

 デモ自体は中国で禁止されている。中共の最高会議の会期間に、中国国内ではどんなデモも許可されるはずがない。では政府はどうして今回のデモを黙認し、組織されることを許したのか。

 5中総会前日の14日、新華社は人民日報系の「環球時報」に掲載されたある記事を転載したことから、中南海に激しい暗闘の影が浮き上がっている。人民代表大会のスポークスマンで、国際欧亜科学院院士と欧州科学院副院長を務める吳建民氏は、「周辺国との摩擦の解決は、焦るべきではない」と題する記事で、中国が日本や周辺国家との領土争議は、時間を掛けて強硬な態度を取らずに外交手段で解決すべきであると主張した。

 「『争いを棚上にして、共同開発を』という言葉を_deng_小
16日に西安市で大規模な反日デモが発生した。日本製品が燃やされ、日本系企業が襲撃された(掲示板投稿写真スクリーンショット)

平同志が80年代に提出した。この考え方は、現在一部の人たちに共有されていない。彼らは_deng_小平の考え方を十分理解していない。この方針は、争いは武力を用いずに、外交手段によって解決すべきだということである」と同氏が述べた。

 「今年以来、我が国と周辺国家との関係の中に摩擦と矛盾が出現した。最近、メディアは他国との対立および食い違いを大量に報道し、国内でもこの問題についての議論が沸き起こっている。私の見るところ、この摩擦は全面的にとらえるべきで、解決策に焦りは禁物だ」と同氏は述べている。

 「改めて中日関係を眺めてみると、1972年の中日国交正常化の時点での中日貿易規模はわずか11億米ドル、1978年は66億米ドル、2009年には2288.5億米ドルに達し、日本は中国にとって3番目の大貿易相手国となり、2009年には、米国を超えて日本最大の輸出市場となった。1978年、中国に日本企業はなかった。しかし今日、国内には大小さまざまに万を数える日本企業があり、千万人以上の就業機会を創造した」とさらに文章はこう続く。

 最後に吳氏は「当然、我々は対立と食い違いは早く解決すべきだが、その摩擦を解決する条件がそろっていなければ、我々はその条件そのものを作り出す必要があり、忍耐を持って対処すべきである。急ぐと問題が解決しないだけでなく、大局を誤ってしまう」と述べている。

 5中総会を前に、国営報道機関の新華社が出した文章の論調には、影に潜む中共高層の激しい派閥闘争がうかがえる。開催二日目の朝、各地で騒動が起きたのは、外部メディアの報道の関心を捕まえ、北京総会から視線をそらせようというものではないか。つまり、中南海内部で大きな事が起こっているのだが、権力闘争が報道されることを避けるため反日デモでメディアの注目を逸らす狙いというふうに読み取れる。

 政治中心地である北京でのデモが、中南海への民主化要求などに変質して行くことを中共は恐れている。北京でのデモは絶対的なタブーだが、内地の都市なら、当局のコントロールできる範囲である。現政権は、いつものように民衆デモを日本政府への圧力として使っているが、「エスカレートして矛先が己に向かってくることを避けるために手立てを尽くしている」との声が、漏れ聞こえてくるようだ。

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