印刷版   

中国のインフレ 専門家「来年上半期さらに悪化」

 【大紀元日本12月16日】中国政府が最新発表したところによると、11月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は5.1%に達し、2008年7月以来の最高記録となった。深刻なインフレ問題を背景に、12日、北京で終了した中央経済工作会議では、来年の中国の経済政策について「物価水準の安定を最優先し、穏健なマクロ経済運営を加速する」として、インフレの抑制を優先課題にすることが決定された。

 政府の抑制策はインフレ問題の解決につながるのだろうか。一部の経済専門家は否定的であり、インフレの長期化は避けられないという見方を示している。

 実情をさらに重く見る専門家がいる。経済調査研究機関ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツ(Stone & McCarthy Research Associates)のエコノミスト、トム・オーリック氏は「不安材料は、食品以外の商品価格も上昇していることだ」と指摘した。

 11月の物価上昇の主な原因は食品価格の高騰によるものとされているが、食品以外の商品価格も前年同期比より1.9%高い数字となった。前月の1.6%よりも高く、食品以外の商品にもインフレが広がりつつあることを示している。すでに2カ月も続いているため、「インフレは始まったばかり」と同氏は懸念する。

 みずほ証券アジアの大中華区担当チーフエコノミスト、沈建光氏は、来年の上半期にインフレはさらに悪化すると見ている。「CPIの上昇率が5%であるのに対し、1年物の定期預金の金利は2.5%に過ぎない。貯金より不動産投資からの見返りが高い現状が続く限り、インフレは悪化するだろう」と見ている。

 過熱する不動産投資を抑制するため、政府は11月19日に今年5回目となる預金準備金率の引き上げを発表した。しかし、今回の預金準備金率の引き上げは、それほど功を奏さないだろうとエコノミストらは見解しており、年内にもう一度預金準備金率を引き上げる可能性があると予測している。

 モルガン・スタンレーの前アジア主席であるスティーブン・ローチ(Stephen Roach)氏も、「インフレが長引くほど、解決が難しくなる」と述べた。さらに、インフレの長期化で市民の不満が高まり、政権への打撃も避けられない、と中国問題に詳しい専門家は指摘する。

 一方、国家発展改革委員会が12日に発表した声明によると、11月の物価上昇は季節に影響された暫定的な現象という見方を示し、12月のCPI上昇率は5%を下回るだろうと見込んでいる。

(翻訳編集・高遠)


 (10/12/16 07:54)  





■キーワード
インフレ  CPI  消費者物価指数  中国経済  


■関連文章
  • インフレ抑制で政府が価格統制 食用油メーカー、大規模生産停止へ=中国 (10/12/15)
  • <中国人ブログ> 深刻なインフレ 21年前の反乱、再来か(10/12/15)
  • 中国経済の奇跡、インフレで終結に向かうか(10/12/01)
  • 中国 インフレ深刻化 1、2年続くか 政府「米国が元凶」 専門家「通貨供給量が主因」(10/11/29)
  • 北の砲撃事件 専門家「背後に中国の姿が」(10/11/25)
  • 外国人による不動産購入を制限 専門家「効果は限定的」=中国(10/11/17)
  • 中国不動産価格は既にピーク ゆっくりと下落基調へ=中国人エコノミスト(10/11/16)
  • 農産物価格高騰 10月CPI指数4.4%上昇 インフレ深刻化(10/11/13)
  • 中共には経済危機存在しない・民主中国こそ日本の国益=袁紅冰氏来日講演(二)(10/11/10)
  • 農産物高騰でインフレ警報 専門家「マネーサプライの急増が主因」=中国(10/11/06)
  • マネーサプライ対GDP比、異常な260% バブルとインフレ危機の元凶=中国(10/11/05)
  • 中国不動産バブル、多数の利益集団が決め手 崩壊のカウントダウン=独立経済評論家(10/11/02)
  • 米専門家、「中国のインフレはすでに警戒線を超えている」(10/10/29)
  • 利上げで株価急落 インフレ対策 北京市民、ゴールド購入へ走る(10/10/25)
  • 中国、突然の利上げ 様々な見解(10/10/21)