鎖、鉄製のおり・・・河北省、精神疾患10万人を自宅監禁

2013年07月12日 17時20分
【大紀元日本7月12日】11日付の北京紙・新京報によると、鎖をつなげたり、鉄製のおりに入れられたりするなどで自宅監禁されている精神疾患の人は河北省だけで10万人に上っているという。

 政府が2009年に発表した資料によると、中国で精神疾患を患っている人は1億人に達し、重症の人は1600万人に上り、そのうちの10%の人は暴力を振るうなどの恐れがあるという。

 しかし、精神疾患を治療する専門医と医療施設は不足、高額な治療費、社会差別などのことが原因でその患者の多くは今、自宅監禁状態にある。

 同省唐山市在住の劉躍貴(52)さんもその一人。高さ1.5メートルの鉄製のおりの中で10年間を過ごした。立つことができず、座るか横になるかの生活を送っている。弟が毎日食べ物と水を届ける。

 2002年に殺人事件を起こしてから、家族が作った鉄製のおりの中で暮らすようになった。2009年に同省第六人民医院は通報を受け、劉さんをおりから解放し、病院で治療を受けさせた。7年間も立ったことがない劉さんは当時、歩くこともままならなかったという。2ヶ月の治療を経て、症状は大きく改善され、暴力傾向もほとんどなくなったため、退院することになった。

 しかし、事前に知らせたにもかかわらず、病院関係者に伴われ劉さんは自宅に到着したが、扉に鍵がかかり、家族は全員不在だった。一方、劉さんの帰宅を阻止するために近隣住民が大勢駆けつけた。「彼を連れていかなければ、私たちを轢き殺してください」と住民らは救急車の前に立ちはだかった。

 この異様な光景に刺激され、劉さんは「全員殺す!」と叫び、再び発症。その後、病院関係者は劉さんを近くの派出所にむりやり押し付け、逃げるかのように現地を離れた。数日後、劉さんは派出所から直接おりに入れられ、その後治療を受けたことがない。

 2006年に行われた調査によると、河北省だけで劉さんのような自宅監禁されている人は10万人に上っている。

 全国で1億人もの精神疾患を抱えているのに対し、精神科医は2万人、看護師は3万人と「焼け石に水」の状態。170の県を持つ河北省では68の県に専門医と治療施設はない。医療設備が完備されている北京でも、入院まで通常、半年がかかる。

 一部の病院は精神疾患の人を監禁状態から解放し、治療する「解鎖プロジェクト」を立ち上げた。しかし、治療費を捻出できず、家族から治療を断られたケースが多い。中に治療費を全額負担した病院もあるが、負担が重くなったためいずれも数年後にプロジェクトを中止した。劉さんを助け出した同省第六人民医院も今年5月に中止を決めた。

 さらに、2012年に改正された精神保健に関する法律「精神衛生法」では、精神疾患の治療は自由意志に基づくと規定された。同プロジェクトは継続されても違法と判断される可能性がある。

 劉さんの弟は記者に「兄は一生、ここから出ることがないだろう」と話した。

(翻訳編集・高遠)


 

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