名門大の毒殺事件で死刑、専門家「人格教育を軽視した結果」

2014年02月20日 16時19分
【大紀元日本2月20日】中国上海市の名門大学、復旦大医学部の大学院生を毒殺したとして、故意殺人罪を問われた林森浩容疑者に対して、上海の中級人民法院(地裁)は18日、死刑判決を言い渡した。林容疑者は被害者の男性と同じ医学部の院生で学生寮のルームメイトでもあった。北京大や清華大と並ぶ中国の有名大学で起きた事件だけに、判決の結果が注目されていた。

 被害者の黄洋さんは昨年4月1日、部屋に設置されていた給水器の水を飲んだ後に身体の異常を訴え、2週間後に死亡した。警察当局の調査によると、林容疑者は前日、実験室から毒物を持ち出し、給水器に投入したという。林容疑者はこの毒物を使って動物実験を行っていることから、捜査線上に浮上したという。

 逮捕後、林容疑者はエープリルフールの冗談のつもりだったとして殺意を否認している。

 中国の大学は全寮制で、同じ学科の学生がルームメイトとして4年間を過ごすため、些細なトラブルで殺人まで発展するケースは少なくない。その中で最も有名なのは1994年に起きた清華大学女子大生のタリウム中毒事件。ルームメイトによる犯行とみられているが、明確な証拠がないとして未だに犯人逮捕に至っていない。今回の毒殺事件の林容疑者は逮捕後、女子大生の中毒事件から「もしかして自分も捕まらない」と射幸心を抱いていたと供述していた。

 ほかにも2004年、雲南大学の男子大学生は普段からからかわれたことに恨みを持ち、ルームメイト4人を殺害した。2007年、中国鉱業大学(江蘇省)の男子大学生は日頃の不満から同級生3人にタリウムを飲ませた。昨年4月、南京市の大学で些細なことで口論となり、同級生を刺殺する事件があった。

 多発する大学で起きた殺人事件に、専門家は入試偏重の中国式教育が招いた結果と指摘する。スウェーデン在住の中国問題専門家・黎原野氏は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジアに対し、「今回の事件は健全な人格形成を軽視する現行教育に原因がある」と断罪した。中国メディアも「豊かな人間性の育成に力を入れなければ、学校は社会に有害な人材の製造工場になりかねない」、「標準回答を求め、個々の人間性が抹殺されている」と教育体制の改革を求めた。

 中国の教育機関で以前行った調査によると、50%以上の大学生が「人間関係、学業、就職」にストレスを感じ、さらに大学生の16%から25.4%は軽度以上の精神病にかかっているという。

(翻訳編集・高遠)


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