THE EPOCH TIMES
パリ同時多発テロへの随想

【特別報道】世界には真・善・忍が必要

2015年12月13日 15時44分

 2015年11月13日、世界中に衝撃が走った。この日に起きたパリ同時多発テロで、20日までに129人が命を失った。その前日に、レバノンの首都ベイルートで自爆テロが発生、43人が死亡した。10月31日、エジプト発サンクトペテルブルグ行のロシアの旅客機がエジプト・シナイ半島で墜落、乗客乗員224人全員に生還者はいなかった。過激派組織IS(イスラミックステート)」による爆弾テロであることが判明した。

 命を大切にするのは人類の本能である。罪なき人々を殺戮するのは、人性への最大の踏みにじりであり、文明への攻撃である。一連のテロ事件を受けて、国際社会から非難の声がいっせいに噴出した。「我々はみなパリ人だ」と市民やインターネットから声援の声が高まっている。各国政府もテロリストを打撃するため協議・連携を再開している。

 死傷者に対する追悼と声援は、人性の輝かしい部分、人々の平和と安定への憧れ、邪悪に絶対に屈しない決意を表している。

 テロリストが一般市民を対象に無差別殺傷を繰り返していることは、世界及び欧州の自由・人権の価値観への厳重な侵害、宣戦布告である。01年の「9・11事件」は世界の政治構造及び歴史の流れを変えたと同様に、今回のテロ襲撃も世界の構図に重要な影響をもたらした。

テロ攻撃発生の根源

 世界が深い悲しみに浸るなか、災難が起きる原因をやはり探らなければならない。

 テロ組織が形成されるには様々な要因がある。異なる宗教、異なる民族、異なる文化、そして諸大国間の政治関係などにより様々な対立・衝突が生じ、いまのような一見出口の見えない情勢になった。

 一部の見方では、欧州の開かれた多元文化、自由・人権の価値観に由来する寛容が、テロ組織に生息の環境を提供した。実際には、自由及び人権にはボーダーラインと原則があり、寛容は邪悪に向けるものではなく、邪悪への寛容は悪魔を助長するに等しい。それどころか、多くの場合、伝統的価値観を堅持しないこと、各種問題において政治的利益を最重要視する現状が、テロリストに成長の環境と土壌を提供した。

 根本的な原因は人間の心が堕ちたことにある。伝統的価値観が現代の各種変異した観念と衝突し侵食されることにより、道徳の崩壊が生じ、様々な乱れた社会的現象が現れている。そして、愛情、仁義、信頼、誠意、寛容が人々の心から消え去った。これらすべての問題を解決する根本策は、伝統的道徳価値観を復興させることである。

道徳の崩壊

 人類の文明はお互いの愛情と信頼という土台の上に成り立つ。道徳が崩壊することにより、人々は誠意、善性をもって接することができなくなり、お互いへの最低限の信頼を失い、限りなく欲望を放任し、何事においても争い、暴力で問題を解決、傷つけ合うことは至る場面で止むことなく起きている、そしてテロリズム・戦争に対する熱狂は随時に起こりうる。科学技術が発展するにつれ、道徳の制約がないテロリストは大量破壊兵器または壊滅的殺傷力を持つ兵器を容易に入手でき、人類と地球は常に彼らの脅威に曝されている。例えテロ襲撃と戦争が起きなくても、道徳を重んじない、完全に私利私欲を原動力とする経済発展は人類の生存環境を徹底的に破壊し、最終的には自らを壊滅させてしまう。例えそうならなくても、天は、道徳失墜の文明が長く続くのを容認するはずがない。

  人類は長い歳月のなか、無数回の壊滅的な災難に遭った。道徳の崩壊により文明が消滅された実例は歴史上幾度もあった。エジプトの海底で発見された高度な文明をもつ地中海の古城はまさに道徳崩壊の地だった。巨大な彫刻から当時の人々の贅沢極まりない、酒と金に溺れる生活実態が垣間見える。一部の彫刻が描いた状況に見識の広い考古学者らは驚いた。しかし、突如やってきた巨大地震により、この堕落した繁栄の町が海底に沈められた。

 同様の災難はイタリアのナポリから東南23キロ離れた古代都市ポンペイでも起きた。1900年あまり前に世界でもっとも美しく栄えていたこの地で、人々は酒色に溺れて、乱倫や男女関係の乱れは極まり、道徳は失墜した。79年8月、ポンペイはヴェスヴィオ火山噴火の火砕流によって地中に丸ごと埋もれた。

 戦争や天災によって壊滅させられた文明は数えきれないほどある。

 歴史は今日まで歩み、人類の道徳低下により現れた様々の乱れた現象は、過去のいかなる王朝・末世よりも甚だしい。人類は再び文明が破壊される危険な境地に立っている。

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