中国大学生の変身ぶり

「英語が仮面に」 中国人学生に対する米人英語教師の考察

2016/07/05 13:49

 北京の中国外交学院で英語の教壇に立つ外国人教諭による中国人学生論が、米国の雑誌『フォーリン・ポリシー(外交政策)』に掲載された。この雑誌は外交・国際問題をテーマとしており、国際的に権威があることでも知られている。その記事によると、中国人学生は英語で会話をするときには警戒心が薄れ、個人的な事情を口にしやすくなる傾向があるという。

 著者であるマット・デバッツ氏は英語教師として北京に赴任する前、実際の講義において直面するとおぼしき問題に対し、様々な準備を重ねていた。だが、学生が盗作やカンニングを行ったり、ディスカッションへの参加を渋ったり、丸暗記に頼るような学習方法を行ったりすることは想定していたが、英語を使うだけで中国人学生が長年心の中にしまっていた秘密を話し始めるとは思ってもみなかったと語っている。

(個人情報保護のため、文中の名前は全て仮名)

 隠しておきたい家庭の事情も外国人教師になら打ち明ける学生

 スピーキングのテストの際に「私自身の話」をテーマに選んだ同大学の女子学生、ローズさんは、本来10分間のはずの試験で実に40分間も話し続けた。その内容は、これまで誰にも語ったことのなかった自身の秘密についての話だった。

 北京からほど近い町の出身のローズさんは複雑な家庭事情を抱えていた。両親ともにろうあ者で自力で生活することができず、父親は麻薬に手を染めしばしば暴力を振るい、母親は以前窃盗の罪で服役していたことがあるという。

 こうした家庭環境により、ローズさんは子供のころから周りの人に見下されていた。そのため、高校に入学してからは自分の家庭の事情を絶対に人に漏らさないと心に決めた。大学に入学してからもこのことを人に話したことはない。

 ローズさんは英語を勉強していると、こうした辛い現実から目を背けていられた。懸命に英語を学んだ結果、晴れてこの大学に学校推薦で入学することができ、大学では毎晩CNNニュースやBBCニュースの動画資料を数時間も視聴するなどして、より一層英語の勉強にいそしんだ。「英語は美しい言語だと思います。私に優越感を持たせてくれるのです」

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