「炎黄春秋」誌人事介入 指導部の分裂があらわに=米中国語メディア

2016/08/04 16:04

 米国の中国語ニュースサイト「多維新聞網」はこのほど、7月12日中国政治雑誌「炎黄春秋」を発行する出版社社長や副社長、総編集長などの管理層幹部が、同社を管轄する「中国芸術研究院」から更迭されたことについて、中国共産党内部における分裂と意見衝突が表面化し、将来中国共産党政権に致命的な影響を与えるとの評論記事を掲載した。

 同サイトが23日に掲載した元関係者への取材記事によると、同出版社の人事異動を命じたのは習近平主席ではないとの見方を示したという。指示を出したのは党内江沢民派閥で中央政治局常務委員劉雲山氏だと見られる。

 「炎黄春秋」管理層への人事介入

 「中国芸術研究院」は7月12日に、同社社長、副社長、編集長を更迭し、新社長には同研究院副院長の賈磊磊氏が就任するとの人事を突如発表した。

 社長を解任された杜導正氏は、中国芸術研究院の一方的な人事介入は2014年に同出版社と中国芸術研究院とが双方で署名した「人事、出稿、財務の自主権は炎黄春秋出版社にある」との合意書に違反したとして、18日ネット上で同誌の停刊声明を発表した。

 声明では、15日に中国芸術研究院関係者数人が「出版社に侵入し、社の公式ウェブサイトのパスワードを盗み取り、変更したため、同誌の基本的編集出版の権利を喪失した」と同出版社が占拠されたことを明らかにした。

 「炎黄春秋」問題で党内の意見衝突と分裂があらわに

 中国指導部に近いとされている「多維新聞網」が7月28日に発表した評論記事は、国内外の世論は「炎黄春秋」を「党内自由派」または「改良派」と呼んでいるが、雑誌の創刊者や歴代社長、総編集長は「党内同志」で、同出版社は「正真正銘の党メディア」だと評した。

 そして、同出版社が関係部門から厳しい締め付けと報道規制を受けたことは、党指導部内で「認識の不一致、歩調の不一致」が表れ、保守派と改革派との意見衝突、さらに党内分裂があらわになったとも評した。

 また、一方的な人事介入からみると、当局による両派の対立を解決する方法が「簡単で乱暴だ」、「客観的なルールを無視した方法で、これがいったん慣習的となれば、将来中国共産党政権に致命的な影響を与える」と批判した。

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