習近平政権の反腐敗キャンペーン、次のステージへ 党高官の外戚まで調査対象に

2017年06月23日 07時00分

 中国の保険大手、安邦集団CEO・呉小暉が当局に連行された。米メディアはこの理由について、呉氏が習政権の政治的タブー2つを犯したからだとみている。習政権は反腐敗キャンペーンの調査範囲を、党上層部の外戚関係へと進めてきた。

 米政府系ボイス・オブ・アメリカは6月16日、政治評論家で時事アナリストの陳破空氏、社会経済学者の何清漣氏、情報サイト『縦覧中国』編集長の陳奎德氏らを招き、呉小暉が連行された背景を探った。

習政権の2つの政治的タブーに触れ、金融安定政策に逆らった

 何清漣氏は、呉小暉が拘束されたのは2つの政治的タブーを犯したからだという見方を示した。1つ目のタブーは、紅二代、紅三代(中国共産党の高級幹部の子や孫、親せき、特権地位にいる者たちとその総称)が商業界から撤退するように、との習近平主席の指示に違反したことだという。

中国保険監督トップ失脚
習政権 金融界の粛正を強化

 中国新旧太子党メンバーは相次いで商業界から姿を消した。いっぽうで、鄧小平の孫婿・呉小暉は、流れに逆らうように海外進出に打って出た。

 15年3月前後、中国国内の大手メディア「財経」「財新」「南方週末」と、米ニューヨークタイムズ紙が安邦保険のことについて立て続けに報じた。それぞれの記事のポイントは、安邦保険が12年で資産を100倍に増やせたのは「銀行を利用して、リスクの高い財テク・保険ファンドを大量に販売して資金を得ている」である。特に財新は、鄧小平の孫娘との離婚にも言及している。こうした報道は、呉小暉に対する警告と見られている。

 また何氏は、安邦集団が15年から展開した大規模な海外投資が、習政権の2つ目のタブーに触れたと説明している。

 その当時、北京当局はすでに外貨準備高防衛戦を展開していた。外貨の確保は金融業界の安定につながり、金融業界の安定化こそが中国経済の最後の防波堤となるからだ。当局のこうした政策に冷や水を浴びせるように、呉小暉は中国国内で財テク商品を販売してかき集めた資金を、投資の名目より海外移転することで、巨額の外貨を流出させた。その結果、外貨は消え、リスクだけが中国国内に残った。こうした状況は金融業界の安定化を大いに脅かす。

江派による「経済クーデター」と資金洗浄に関与

 陳奎德氏は、当局が金融業界に注目した理由は、金融危機が政治に深刻な影響を及ぼす可能性があるからだと説明している。過去の例としては、国民党統治下にあった48年と、97年に起きたアジア通貨危機が挙げられるほか、15年に起きた中国株の大暴落も記憶に新しい。

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