中国元外交官・陳用林氏

元外交官に聞く中国共産党によるオーストラリアへの浸透工作(2)

2017年06月29日 19時26分

 豪州メディアの共同調査で、少なくとも5人の中国系人物が政治界への巨額な政治献金と賄賂を通じて、同国の内政に干渉してきたことが明らかになった。このほど、大紀元の取材に応じた駐豪シドニー中国総領事館の元一等書記官でベテラン外交官・陳用林氏は、中国共産党によるオーストラリアへの浸透工作の詳細を語った。

元外交官に聞く中国共産党によるオーストラリアへの浸透工作

中国共産党による豪政府への全面浸透 

 陳用林氏はこのほど、豪州主流メディアの報道では、中国共産党が豪政府への浸透工作の徹底ぶりを反映したと指摘。「中国共産党による豪州への浸透は政治、軍事、経済、文化の4つの分野に及ぶ。政府と民間の両方にも浸透工作を行っている。特に政府に対しては、連邦政府、各州政府と各市政府まで徹底的に工作を行う」と話した。

 「議員や政府関係者には2グループに分かれる。1つのグループは、中国共産党とよく接触して利益を受けている人で、中国共産党とより親密な関係を望む人たちだ。ここには各政府機関の幹部と政治家が多く含まれ、普段、直接に中国当局、中国大使館・総領事館、中国共産党寄りの団体とやり取りしている」。

 「もう1つのグループは、国益の侵害を危惧して、中国共産党と接触しない人々。彼らは特に国家安全保障が甚だしく脅かされていることを懸念している」。

 このため、豪州メディアは中国共産党が莫大な資金を動かして、豪州政府の官僚や各党派の政治家に利益を与えてきたことで、同国政府の政策や戦略に大きな誤りが生じ、政治制度が揺さぶられていると批判した。

中国共産党の黒いカネ オーストラリア議員の発言を左右

 オーストラリア放送協会(ABC)によると、豪州最大野党労働党のサム・ダスティアリ上院議員は、中国人富豪・黄向墨の重要連絡人を務め、黄から受け取った賄賂で自らの弁護士費用や旅費などをまかなった。これが発覚し、同議員は昨年9月、国会内の要職を辞任した。

 また報道によると、昨年連邦議の選挙で、黄向墨は労働党に対して40万豪ドル(約3400万円)の政治献金を行ったが、その後同党のステファン・コンロイ上院議員が中国当局の南シナ海における軍事化を批判したのを受けて、政治献金を取りやめると脅かした。コンロイ議員が発言した翌日、ダスティアリ議員は黄とともに記者会見に現れ、中国当局の南シナ海政策を支持すると表明した。

6月上旬に報じられたオーストラリアのメディアの調査によると、少なくとも5人の中国系人物が政治界への巨額な政治献金と賄賂を通じて、同国の内政に干渉してきたと明かした。シドニーのオペラハウス (GREG WOOD/AFP/Getty Images)
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