鉄道ビジネス

川崎重工、NY地下鉄車両の契約で有力候補に 32億ドル規模

2017年09月05日 07時00分

 川崎重工が、32億ドル規模の米国ニューヨーク地下鉄の新型車両製造を契約できる可能性が浮上した。この入札では、これまでカナダ企業ボンバルディア社と中国企業による共同入札が契約候補に有力視されていたが、ニューヨーク地下鉄輸送当局が、ボンバルディア社との別の契約で問題が生じ、信頼を失墜させたとして最近、候補から消えたという。匿名の関係筋がロイター通信に明かした。

 ボンバルディア社と中国中車は共同で、ニューヨークの地下鉄輸送当局から、最大1700両もの製造契約を進めていた。しかし、情報筋によると、ボンバルディア社が同地下鉄との別の契約で、軽車両の納期を2年も遅延させているため、今回の2社合同の契約をもはや進展させない方針に転換したという。

 ボンバルディア社米国部門担当責任者は、8月30日までに社内向けのメッセージで、「顧客の(契約候補から外すとの)判断は、当社の対応の遅れという欠陥を容認できないことを示している」と知らせていた。カナダ通信社・カナディアンプレスが報じた。

 このため、ニューヨーク地下鉄車両の製造に手を挙げるのは、川崎重工と鉄道大手・仏アルストムの共同入札のみとなった。同広報担当は「入札が確定したとは聞いていない」とロイター通信に回答している。契約が成立すれば、川崎重工のなかで最高額で最多車両の契約となる。

中国製車両、「安い」だけで契約拡大に懸念の声

中国資本の長距離鉄道が開通 
巨額債務かかえるケニア

 世界の鉄道車両市場で売り上げ首位の中国の車両メーカ・中国中車にとって、とん挫したニューヨーク地下鉄の契約は、成立すれば最大規模の注文となり、海外市場での占有率拡大の足掛かりとなるものだった。ボンバルディア社と中国中車は2016年12月、この案件に共同入札することを発表。ボンバルディア社はニューヨーク地下鉄の車両製造の注文を35年にも渡り受注している。

 思わぬ「信頼失墜」のレッテルを貼られたボンバルディア社だが、同社の入札レースの脱落は「大きな問題ではない。同社は、研究開発を進め技術を熟練させれば大型契約のチャンスは再び到来するだろう」と、調査企業コーマーク・セキュリティのアナリスト、デビッド・ティアマンは加メディアに語る。

 しかし、ボンバルディア社と共同する「中国中車により安価になって、契約が進む傾向を、私はもっと懸念している」と述べた。

関連キーワード
^