THE EPOCH TIMES

一帯一路に蚕食された中南米 中国警戒論が台頭

2017年12月22日 08時00分

  中国当局が主導する「一帯一路」巨大経済圏構想に、本来「一帯一路」に含まない中南米諸国を取り込もうとしている。当局は、「一帯一路」経済協力枠組みへの中南米国家の参加は「21世紀海上シルクロード上の自然延長だ」との見解を示した。中国の拡張主義に米国や中南米の専門家は警鐘を鳴らしている。

 パナマなど中南米諸国が相次いで中国と国交樹立

 今年、中南米と中国の関係に関して最も注目されたのは、パナマが台湾と断交、そして中国大陸と国交樹立したことだ。今年6月12日、中国との国交樹立を宣言した同国フアン・カルロス・バレラ大統領は、台湾との断交は「正しい決断」で「中国当局に対して何も求めていない」と強調した。

 しかし、香港メディアなどによると、実際のところ中国当局の2016年パナマへの直接投資(FDI)は2億3000万ドルを上回った。昨年末まで、中国企業が受注したパナマの建設プロジェクトの総額は13億3000万ドルだった。毎年、1000隻の中国の船舶がパナマ運河を利用していることもパナマに多くの利益をもたらした。

 バレラ大統領は11月中国を訪問した際、パナマのように中国と国交を樹立すべきだと、他の国に呼び掛けた。

 米陸軍戦略大学・中南米専門家のエヴァン・エリス(Evan Ellis)教授はVOAに対して、パナマが中国と国交を樹立した後、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラなど中米諸国は中国との新たな外交関係を築く可能性が高い、と指摘した。これらの中米国家は、米国政府に強い不満を持つことが共通している。また、カリブ海のドミニカ共和国も同様の意向を持っているという。

 米紙・ワシントンタイムズが今年6月20日掲載した『中国はラテンアメリカを蚕食している』と題する評論記事では、中国当局は、地政学的に米国を孤立させるために、中南米における中国の経済・政治的な影響力を強めようとしている、と分析。

 同記事は、中国企業によるパナマ運河への長期間管理、パナマの港の買収、中南米の10数カ所のランドブリッジへの投資を通じて、中南米地域における中国当局の影響力は一段と拡大すると危機感を示した。同紙は、将来的に米海軍の艦隊がパナマ運河の通過を拒否される可能性がある、と述べた。

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 「一帯一路」、中南米への「自然延長」?

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