THE EPOCH TIMES

アングル:シンガポールで米朝会談、北朝鮮の「頭痛の種」とは

2018年05月16日 20時00分

Jack Kim and Jamie Freed

[シンガポール 11日 ロイター] - シンガポールでの米朝首脳会談開催は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長にロジスティック面で課題をもたらすことになる。金委員長はもちろんのこと、リムジンや数多くの治安要員らを現地に運ぶ旧ソ連製の航空機使用はその1つと考えられる。

史上初となる米朝首脳会談の開催地としてシンガポールが選ばれたのは、同国が政治的に中立であるだけでなく、平壌からの飛行時間と距離が妥当な範囲内だったことが大きいと、韓国大統領府の当局者は記者団に語った。

金氏が2011年に北朝鮮の指導者となってから空路で公に海外を訪れたのはわずかに1度、今月に中国の習近平国家主席と会談するため大連を訪れたときだけである。同氏は個人で所有する「イリューシン62型」に搭乗し大連を訪問。同機には貨物輸送機が同行し、現地で使用するリムジンが運ばれたとみられると、北朝鮮問題に詳しい情報筋は話す。

「大連訪問はリハーサルだった可能性が高い」と、米パシフィック・フォーラム戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドレイ・アブラハミアン研究員は言う。アブラハミアン氏はかつて、北朝鮮で市民にビジネススキルを教える、シンガポールが拠点のチョソン・エクスチェンジに所属していた。

平壌の順安(スナン)空港から4700キロに位置するシンガポールは、イリューシン62型機の航続距離内だ。旧ソ連時代に製造され、狭胴型でエンジン4発の同機は1970年代に初めて導入された。その最大航続距離は1万キロである。

だが同行する貨物機「イリューシン76型」は、積載量が最大の場合、給油せずに3000キロ以上飛行することは不可能である。したがって、シンガポールに向かう途中でベトナムのような友好国に立ち寄るか、積載量を減らさなくてはならない。

物流支援などを提供するアンタークティック・ロジスティックス&エクスペディションズによると、旧ソ連で重機を地方に移送するために開発されたイリューシン76型は、スクールバス1台、あるいは輸送コンテナ2個を運ぶのに十分な大きさだという。

だが、イリューシン76型機は安全面に問題がある。先月、アルジェリアの首都アルジェにある空軍基地から離陸した同型機が墜落し、乗員257人が死亡した。

2011年に死去した父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記とは異なり、北朝鮮の若き指導者が飛行機嫌いだという話は聞こえてこない。正日氏のセキュリティーに詳しいある脱北者によれば、撃墜されることを恐れていた同氏は、めったにない外国訪問に装甲列車を使用していたという。

しかし、これほどの距離を空路で移動することは、首脳会談をサポートするのに必要な通信・防犯上の設備や要員を運ぶ上でかなり重大な問題を引き起こすのは確実だ。

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