MITメディアラボの伊藤所長辞任、エプスタイン元被告献金問題で

2019/09/09
更新: 2019/09/09

[7日 ロイター] – 米マサチューセッツ工科大(MIT)は7日、傘下の研究所メディアラボの伊藤穣一所長の辞任を発表した。米誌ニューヨーカーがこのほど、少女らへの性的虐待などの罪で起訴され勾留中に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告からの献金をメディアラボがひた隠ししようとしていたとの暴露記事を伝えていた。

MITのラファエル・リーフ学長がウェブサイトに投稿した書簡によると、伊藤氏は7日提出した辞表でMIT教授の辞任も申し出た。

伊藤氏のコメントは得られていないが、ニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌によると、同氏は内部向け電子メールで、ここ数週間、数日にわたって熟考した結果、即刻辞任が最適と考えると説明した。

リーフ学長は先月、エプスタイン元被告が管轄する財団からの約80万ドルの献金を大学が再調査すると表明していた。学長はこの7日、献金を受けたことを「誤った判断」とし、外部の法律事務所に調査を依頼するよう大学組織に指示したと明らかにした。

伊藤氏は先月、この問題を謝罪し、メディアラボが元被告から受け取った資金と同額を人身売買の被害者支援団体に寄付すると表明していた。

しかしニューヨーカー誌によると、伊藤氏は9月の第1週、これに加えて同氏が管轄する投資ファンドが120万ドル、メディアラボが52万5000ドルを受け取っていたことを明らかにした。さらにエプスタイン元被告は、別の富裕な個人からの750万ドルのメディアラボ向け献金を請け合っていたという。

ニューヨーク・タイムズ<NYT.N>とバイオテクノロジー会社ピュアテック<PRTC.L>それぞれの7日の声明によると、伊藤氏は両社の取締役も辞任した。

Reuters
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