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2月27日、中国株の急落が世界的なリスク志向の終えんを示唆するとの懸念が浮上。写真はニューヨーク証券取引所のトレーダーら(2007年 ロイター/Mike Segar)

中国株急落、世界的なリスク志向の終えん示唆か

 これまでも世界金融市場の調整は、可能性(if)ではなく、それが起こる時期(when)が問題となっていた。27日は、それがついに現実のものとなった日と言えるかもしれない。流動性が潤沢で落ち着いた市場は一転し、世界中の投資家は、リスクの高く不安定な株やジャンク債(投機的投資等級の債券)、新興国市場から資金を引き揚げ、安全な投資先を求めて米国債に投資したり、キャッシュにしたりした。

 きっかけとなったのは、中国株式市場の急落。代表的な指数である上海総合株価指数<.SSEC>は過去10年間で最大の下げを記録し、時価総額は約1400億ドルが吹き飛んだ。

 パシフィック・インベストメント・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ビル・グロース氏は27日、ロイターに対し「中国は引き金(trigger)」にすぎず「銃弾(bullet)はここ2─3年間にリスク市場に積みあがってきた巨額なレバレッジ」と表現した。

 世界最大の教育慈善基金であるハーバード・マネジメント・カンパニーのモハメド・エルエリアン最高経営責任者(CEO)は「われわれが今日まで目にしてきたのは、昨春の終わりの世界的な市場急落以降も、リスク志向がむしろ強まってきた姿だ」と述べている。

 上海総合株価指数<.SSEC>は、最高値を付けた翌日の27日に約9%急反落した。背景には、来週開幕する全国人民代表大会(全人代)で景気過熱抑制策が打ち出されるのではないか、との懸念がある。

 中国株に連動するFTSE/新華チャイナ25インデックスファンドは9.87%下落。香港株式市場では、時価総額の大きい中国企業株(H株)の中国石油(ペトロチャイナ)<0857.HK>や中国人寿保険<2628.HK>がそれぞれ6.0%超下げた。 

 バンク・オブ・アメリカのチーフマーケットストラテジストのジョセフ・クインラン氏は27日付の調査リポートで「中国市場の下落は、米投資家のエマージング市場へのエクスポージャーがこれまでになく高まっていた局面で起こった」と指摘した。

 実際、中国株安の影響は、ここ4─5年の間、円キャリトレードで投資先となっていた新興国市場で最も顕著となった。

 ブラジル市場では、対ドルで2006年5月以来の高値付近で推移していた通貨レアルが、27日は約2.5%下落。

 サンパウロ株式市場のボベスパ指数<.BVSP>は6.6%安と2001年9月11日以来、最大の下げを記録。同指数は26日、先週つけた最高値付近で取引を終了していた。

 ペイデン・アンド・ライゲル・インベストメント・マネジメントで500億ドルの資産管理に携わるマネジングプリンシパルのクリス・オルンドルフ氏は「世界的な売りは、世界の金融・経済にとって中国の重要性を象徴する一例に過ぎない」と指摘。同氏自身は「当面は様子見」に回るとしている。

 <NYダウも急落>

 中国株安の影響が波及したのは中南米やアジアだけでない。

 昨夏から上昇基調となっていたダウ工業株30種<.DJI>も27日は3.3%下落。一時は500ポイント以上下げる場面もあった。 。

 また投資家の不安感を示す指標として注目されているシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数は一時70%以上も急上昇して19.01を付けた。取引終了時には17.97に押し戻されたが、それでも60%を超える上昇となった。これは、世界的な株安を経験した同指数の17年間の歴史のなかで最大の上昇率だ。

 恐怖心理指数とも呼ばれるVIX指数は、金融市場や経済情勢の不透明感から身を守ろうとする投資家の姿勢を反映する。

 27日の米国債市場は3日続伸。サブプライムと呼ばれる信用度の低い借り手への住宅融資のデフォルト(債務不履行)懸念に追い討ちをかける形で安全逃避の買いが膨らみ、投資指標金利の10年債利回りは3カ月ぶりの水準となる4.50%付近に低下した。

 機関投資家の間では、弱い米経済指標も懸念材料になった。米商務省が27日発表した1月の耐久財新規受注は、前月比7.8%減少と、市場予想を上回る落ち込みとなっただけでなく、振れの大きい輸送機器を除く受注も、2005年7月以来の減少率を記録した。

 米国債市場では、中国株安やサブプライム問題が米成長を一段と減速させかねないとの懸念から米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期の予想を早める動きがでた。

 米短期金利先物はいまや8月までにFRBが25ベーシスポイント(bp)利下げする可能性を約96%織り込んでいる。

 <質への逃避、それとも質をめぐる恐怖感か>

 ペイデン・アンド・ライゲル・インベストメント・マネジメントのオルンドルフ氏は、今回の世界株安を「必要で健全な調整の始まり」とみる。

 機関投資家やヘッジファンドが世界中で株を買っていたのは、コンスタントに2ケタのリターンをあげられるからであり、米ドル安が続くとの長期的見通しを踏まえたものだ。

 世界48カ国・地域の市場をカバーするモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)オールカントリー・ワールド・インデックス<.MSCIWD>は、2006年に約20%上昇したが、先週、最高値に並んだ。

 しかし、トリムタブス・インベストメント・リサーチのチャールス・バイダーマン最高経営責任者(CEO)は、新興国市場株の信用買いが過去最高水準に達している可能性があることを懸念する。

 エマージング・ポートフォリオ・ファンド・リサーチによると、今年に入ってから新興国市場株ファンドには正味238億ドル(推定)が流入した。これに対し米国株ファンドは12億ドルの流入超。

 トリムタブスのバイダーマン氏は「株の信用買いの規模は今後起こり得る海外株市場崩壊のサイン。いつ起こるかの問題だ」と述べ、まさにそれが始まったところだろう、との見方を示した。

[ニューヨーク 27日 ロイター]

 (07/02/28 15:02)  





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