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2月4日、サッポロHDから諮問を受けていた特別委員会はスティール・パートナーズの買収提案について、正当性という点では買収防衛策発動の条件が整ったと述べた。写真は昨年2月、都内の酒類販売店で撮影(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

正当性の点では、買収防衛策発動の条件整う=サッポロHD特別委

[東京 4日 ロイター] サッポロホールディングスから諮問を受けていた特別委員会は4日、米系投資ファンドのスティール・パートナーズの買収提案について「サッポロHDの企業価値をき損し、株主共同の利益を著しく害する恐れが大きい」との意見書をまとめた。

 特別委員会の武藤春光氏(弁護士)は会見で、正当性という点では、買収防衛策発動の条件が整った、と述べた。今後、サッポロHDの取締役会が、買収防衛策を発動するかどうかについて判断することになる。 

 <乱用的か否かの判断は必要なし>   

 スティールは、サッポロHD株式について、1株825円で公開買い付け(TOB)を実施して66.6%を買付ける提案をしている。特別委の意見書は、スティールが経営方針や投資回収など「重要な情報」を提供していないことから「企業価値を大きくき損する恐れがある」と指摘。さらに、スティールが66.6%を取得した後の少数株主の具体的な取り扱いを明らかにしていないことが「強圧的二段階買収に該当する可能性が高い」と判断した。

 投資ファンドであるスティールは、一定期間に一定の利益を上げる必要があるとし、サッポロHDの所有不動産を売却することで投下資本を回収する可能性があると指摘。武藤氏は「売り方によっては企業価値をき損するし、存立を危うくする」との危惧を示した。

 一方で、特別委は、スティールが「乱用的」かどうかの判断については「必要がない」として見送った。この理由として、ブルドックソース(2804.T: 株価, ニュース, レポート)の最高裁決定が乱用目的を買収防衛策発動の条件としなかったことを指摘。そのうえで「(乱用的かどうかは)独立した要件とする必要はなく、企業価値をき損し、株主共同利益を害する恐れの有無だけを判断すれば足りる」と判断した。 

 <買収防衛策発動判断、取締役会で足りる> 

 武藤氏は、特別委員会が「企業価値を大きくき損する」と判断したことで、買収防衛策発動に関しては「正当性という点では整った。買い付け行為があった場合には、発動することの正当性はある」と述べた。サッポロHDの場合、すでに買収防衛策発動導入で株主総会の判断を経ているため、必ずしも株主総会の判断は必要なく、取締役会の判断で足りるとの認識を示した。

 また、買収防衛策の内容が公平性などに照らして妥当かどうかは「相当性の判断になる」とし、具体的に発動された防衛策についての判断になるとした。

 サッポロHD取締役会は、特別委の意見書を尊重したうえで、3月5日までにスティールによる買収提案の賛否を表明する。

 1月下旬にスティールがサッポロHDに対し、早期に前向きな交渉を行うことを求めた際、サッポロHDは、買収防衛策のルールに沿って特別委に諮問しており、回答を待っている間に交渉を行うことは適切ではないとしていた。そのうえで「特別委の勧告を待って、必要に応じて話し合いも行いたい」と返事しており、今後のサッポロHDとスティールとの話し合いも注目される。 

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二記者 清水 律子記者)

 (08/02/05 03:41)  





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