動きの遅い台風5号 九州の南でほぼ停滞 8700戸が停電

2017/08/05
更新: 2017/08/05

強い台風第5号は、鹿児島県の屋久島の南でほぼ停滞している。奄美地方は非常に強い雨が降り、5日朝には120ミリの猛烈な雨が降った地域もある。気象庁は、土砂災害や河川の氾濫に警戒するよう呼び掛けている。

台風5号は北よりに進路を変えながら、再び発達して非常に強い勢力となり、6日夜には九州に接近し、上陸する可能性がある。

九州電力によると、台風の影響で、鹿児島県内では午前6時現在、合計およそ8700戸が停電している。

動きの遅い台風5号、停滞あるいはゆっくりと移動する状況が続くため、台風が留まる地域には大雨と暴風が長時間続く。中心の気圧は965ヘクトパスカル、最大瞬間風速は50メートル。

屋久島町尾之間で5日朝に最大瞬間風速36メートル、種子島で30メートルを記録した。 目安として、30メートルを超えると屋根瓦が飛び、樹木が折れ、頑丈でない古い木造住宅は倒壊する可能性がでてくる。大人でも立っているのは困難になる。現地メディア「アマミテレビ」によると、本社屋上からの撮影では「横殴りの雨風で立ってることが難しい状況、外出は危険です」と呼びかけた。

奄美市名瀬では、4日から5日にかけての雨量が350ミリを超え、平年の8月1カ月分の雨量を超えた。ウェザーニュースによると、奄美地方は多い所では総雨量が1000mmに達する恐れがあるという。

気象庁は、今後の台風進路が予想される九州、四国地方の太平洋側では大雨となり、土砂災害、河川の増水や氾濫、低地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけている。九州北部豪雨の被災地など災害の危険度が高くなりやすい地域では「特に警戒が必要」としている。

(編集・甲斐天海)

関連特集: