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周曙光さんのブログ

ネット言論統制に影響を与えた中国ネットブロガー

 【大紀元日本7月12日】中国のブロガーたちと政府とのネット上の言論統制に関する攻防が日に激しさを増し、ブロガーらの手法は芸術的とも言える域に達している。今週、そのブロガーたちが一勝を手にしたといえるだろう。米紙ウォールストリートジャーナルが伝えた。

 政府系マスコミ新華社通信の報道によると、先週金曜日に中国の関連部門は、殺人事件の処理において過失があったとして、貴州省瓮安(おうあん)県共産党及び警察関係の官僚ら4人に対し、懲戒免職の処分を下したという。

 今回の警察が犠牲者の李樹芬さんが何らかの理由で川に転落し、溺れることにより死亡したと発表したところ、市民の不満を引き起こした。市民らは李さんが暴行された後に殺害され、その犯人は現地官僚の息子であると主張した。7月2日に貴州省共産党書記の石宗源がまたこの抗議活動を「ごく一部動機不良の人の扇動により発展した事件」とコメントしたばかりだ。新華社通信の報道では約3万人が今回の抗議に参加したという。

 新華社通信によると、7月4日にこの処分が決定された後に、石宗源がまた、地方官僚が取調べ中に暴力を振るったことが事件の発端となったと発言したという。

 この立場が異なるような発言は記者やブロガーたちからのプレッシャーによるものだと言われている。周曙光さんがその一人である。周さんのウェブサイト「個人ニュースステーション」では非公式に李樹芬さんの家族から写真を取り寄せて家族の了解を得てから発表した。それで人々が漸くこの事件に注目し始めた。また、多くのウェブサイトがこの事件についての報道や掲載をやめようとしているときに、多くのブロガーたちがさまざまな方法でこれらのニュースを自身のサイトで転載するようになった。

 大量の掲載が、いわゆる審査を受けずに公開されたため、多くの民衆は、政府機関の情報の透明性や事件に対する対応を求めた。公式の調査によると、中国では2・23億人のネットユーザーがおり、数量的にはアメリカとさほど変わらないという。

 このような態度の変化は、今までの方法で情報操作できないことに中国政府は気づいたことを示している。この前、政府は事態が大きくなる前に説明を行い、現地の官僚も事件発生後二日以内に記者会見を開き、釈明した。新華社通信も直ちに報道した。今まで事件発生数日後にやっと報道してきた体制と明らかに異なる。

 人民日報のウェブサイトが7月5日に評論を掲載し、今回の事件から民衆がより透明性の高い情報伝達を求めていることを指摘した。評論では「事件の発端など、あらゆる噂、そして記者会見での質問から一つの問題が顕在化している。それは情報伝達が不十分であることだ」と指摘された。

 ブロガーの周曙光さんは市民たちに当事者の声を届けるために生の情報を提供しているが、ニュースを宣伝ツールとしかみなさない文化の中で無視される場合が極めて多い。昼間は出身地で野菜を販売している周さんが夜になると「Zola」と名乗り、あちこちに事件が起きた場所で調査を行っている。周さん自身のブログ(http://www.zuola.com/weblog/)には、次の格言を掲載している、「試してみなければ、自分がどこまでできるかは永遠にわからないのだ」。

 周さんは2007年3月、強制立ち退きを迫られた人の事件を報道した。こうした努力で周さんが有名になった。今年5月、周さんはまた四川の震災現場まで足を運んで、校舎の大量倒壊の原因を探り、関連する証拠を収集した。

 6月30日にネットユーザーらの勧めと経済的援助で、周さんは飛行機で貴州まで足を運び、今回の事件を調査した。現地に到着した翌日にカメラで事件後の現場を収めたのみならず、被害者の家族から有力な情報を収集できた。また、周さんは、Twitter(最新のミニブログ・サービス)で簡潔な情報をネット上で共有化している。そうすることで、ネット監視で封鎖される前に情報発信ができるという。

 もちろん、周さんはこれまで政府関連部門とのトラブルもあった。昨年12月にブログでマルチ商法に関する報道を発表したため拘留された。その事件も大規模の抗議を引き起こしたようだ。また、周さんが事件当事者を含む人々に対し、自身が行っている調査への寄付を募っている。このような手法も批判を招いたようだ。しかし、周さん自身はブログでの名声と達成感に満足している。もし、有名になれば、いろいろなことができるようになるのだと周さんは語っていた。

 (08/07/12 05:56)  





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