THE EPOCH TIMES

中国鳥インフル感染:今月報告激減、隠ぺい憂慮する専門家

2009年02月22日 10時31分
 【大紀元日本2月22日】昨年、中国国内では3人が高病原性H5N1鳥インフルエンザに感染し死亡しており、明けて2009年1月には8人が感染。うち5人がすでに死亡している。

 医学界のような場では世界中に広がる疫病情報は心配されていないものの、依然として生活の中に影のように潜み人々に恐怖を与えている。2003年以来、アジア、中東及びアフリカ地区では毎年およそ100人がこのウイルスに感染しているが、昨年は珍しく50人以下であった。

 しかし鳥インフルは戻ってきたようだ。先月、中国では5人の死者を出している。さらに病例発生地区は非常に分散しており、北部を含む北京、西部の新彊自治区、南部の広西チワン族自治区、中部の湖南省から東部の山東省に至るまで幅広い地域で発生している。

 WHO(世界保健機構)駐中代表ハンス・トロウドソン(Hans Troedsson)博士は、「疾病抑制の角度から見て、中国で増加している病例は注目に値するものだ。特に注目すべきはこれら病例の幅広い地理分布である」と述べている、。

 博士は、現在このウイルスが突然変異し、ヒト間で容易に感染することははっきりと証明されていない。しかし、一度大流行してしまえば数百万人が死亡するという悪夢の可能性が考えられる。これにより鳥インフルは直近の脅威ではないものの、油断することはできないと博士は話す。

 「事実、今回の中国での一ヶ月間の鳥インフル死亡病例の最高記録は、我々にこのウイルスが生活環境の中に根強く循環していることを指し示している」

 2月10日、鳥インフル発生が発生し519羽の鶏が死んだ後、中国共産党当局は新彊自治区の西部遠隔地ホータン市で1万3千羽を超す鶏を処分した。しかし現在に至るまで中国では大規模な鳥類の疫病発生報告はない。これにより一部の公共衛生専門家から中共衛生及び獣医主管部門のミス、さらには家禽や野禽内でのウイルス蔓延を隠ぺいしているのではないかと注目を受けている。

 1997年、香港で初めて高病原性H5N1鳥インフルにヒトが感染した。昨年はじめ、香港では十数羽の鳥類がこのウイルスに感染していることが発見されている。これはウイルスが隣接している広東省内にも存在する可能性を示しているのではないだろうか。しかしながら現在に至るまで広東省ではこの病例に関し、何の報告も出されていないという。

 同じくおかしなことに、1月にこれほど多くの感染例があったにもかかわらず、突然ヒトへの感染に関連した報告が無くなった。香港大学ウイルス学者である管軼博士は、「このことは私をたいへん驚かせた。なぜなら1月にあれほど多くの病例がありながら、2月になった途端、(関連報告が)ぱったりとなくなったからである」

 中国国内のヒト死亡例に加え、隣国のベトナムやインド東北部でも家禽がウイルスに感染した新たな報告がある。このウイルスが中国本土に確実に存在することを表しているだろう。専門家たちは中国がこの疾病の進展に対し致命的な過ちを犯している可能性を懸念している。

 先周、香港政府の伝染病顧問である労永楽氏は、中国共産党は鳥インフルエンザウイルス拡散について実情を伝えていないと話す。「政府が認めなくても、中国国内では間違いなく鳥インフルが大流行している」

 中国は2005年に家禽用のワクチンを研究開発し、毎年数百万場の鳥類に接種している。しかし、全ての人がこの妙薬を認めている訳ではない。米国インフルエンザ専門家ロバート・ウェブスター博士は2005年に中国は不合格ワクチンを使用し続けており、このため鳥インフルの症状を抑えることはできてもウイルスは家禽の中で蔓延し続けているのだと指摘している。

 広東省広州市のある専門家は、中国で普遍的に存在するワクチン接種のリスクはウイルスが存在しているという事実を覆い隠してしまうことであると話している。

 「特にこれらの動物には注意すべきである。この中にはすでにワクチン接種を済ませた家禽類も含む」

 中国共産党の生体鶏市場に対する管理は基本的な予防方法が欠けている可能性がある。一部の人々は中国の監視管理員は大量の家禽が病気になってしまった後、例えばホータン市で処分された519羽の家禽のように、ただ処分するよう要求しているだけではないかと憂慮している。

 これとは逆に、昨年、香港の定期検査では市場で感染した鳥を発見しただけで数千羽の家禽を大規模に処分するということも起きている。専門家はこれらの感染した鳥類は外から見ても何の症状もない。もし検査員が死亡、或いは明らかに発病している鳥類を検査しただけならば感染している鳥類を見落としてしまうのだ、と話している。

 予防措置をいかに強化するかを考えなければ、ますます命にかかわる大きな問題に発展してしまう。鳥インフルエンザが2003年に復活後、すでに15カ国254人が感染により死亡している。研究者は世界のそのほかの危機、例えば地球温暖化や世界金融危機などが鳥インフルのニュースを隅へ追いやってしまったことを危惧している。

 だが、たとえ人々の注目を引いていなくとも鳥インフルエンザは存在するのである。香港大学ウイルス学者マリック・ペイリス氏は、「重要なのはこのウイルスが消滅したことがないということだ…それはメディアの注目する焦点から消えただけで、ウイルス自体はすでに広範囲にわたり蔓延している。鳥インフル・ウイルスはアジア、中東、エジプト、アフリカに根を下ろしたばかりではなく、インドやバングラディシュにも存在しており、これは手を焼く問題である」と話している。

 
(翻訳・坂本)


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