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≪縁≫−ある日本人残留孤児の運命−(70)
文:飯塚正子
【大紀元日本10月25日】当時、私の前の席に宮崇霊という女の子が座っていました。彼女は勉強が遅れており、特に数学が良くありませんでした。時に私に質問することがあるのですが、私はいつも根気よく教えてあげました。
勉強の面でお互いに助け合ったので、私たち二人はとても仲良くなりました。私はその他の同級生とも仲良くつきあっていましたが、宮崇霊とは特に親密になりました。彼女はどんなことでも私に話してくれました。私も彼女をだんだんと信用するようになり、小さい頃からの経歴を話して聞かせました。彼女は私を日本人の子供だということで蔑視したりなどしなかっただけでなく、私に同情してくれました。
宮崇霊は温厚な良い女の子でした。小柄で、まん丸の顔をしており、とても可愛く見えました。彼女は、寧安の街中に住んでしました。兄弟の中では一番年長で、下に妹が一人と弟が三人いました。だから、彼女はとても物分りがよく、また他人に思いやりもありました。
ある時、彼女が家に遊びに連れて行ってくれました。彼女の家に行ってやっと分かったことですが、彼女のお母さんは歯医者さんで、自分で歯科医院を経営していました。お父さんはいわゆる過去の歴史的な問題により、強制労働収容所に送られていました。
私には彼女の心境がよく分かりましたし、お母さんの強さには特に感心しました。お父さんが家にいなかったので、お母さんが一人できりもりして子供五人を育て、全員に良い教育を受けさせただけでなく、さらに家中の一切の負担も一人で請負い、お母さんはさぞかし大変だったろうと思います。
宮崇霊のお母さんは私の経歴を知った後、とても私に同情してくれて、とても親切にしてくれました。私も宮崇霊を気心の知れた親友として信用するようになりました。
私たちのクラスには、一年生の学期が始まったときに、石頭站の農村の小学校から試験に合格して入ってきた共産主義青年団員が二人いました。(共産主義青年団とは、中共組織の下部組織で青少年が加入する付属組織です)。一人は顔喜貴といい、もう一人は関秀琴といいました。
そのほかにもう一人、寧安鎮から試験で合格してきた呂氷潔という背の高い女子学生がいて、クラスの教養娯楽委員でした。彼女は歌を歌うのがとても好きで、しかも上手で、私は彼女の才能を羨ましく思ったものです。
彼ら三人は、「共産主義青年団支部委員会」のメンバーでした。関秀琴は団支部の書記で、顔喜貴は組織委員、呂氷潔は宣伝委員でした。
関秀琴はクラスの中では最も年上で、すでに19歳になっていました。彼女は私のクラスの年長のお姉さんで、その頭髪は余り多くなく、ふだんはいつも2本の細いお下げに括っていました。その左顔には、とても大きい細長いあざがありました。年齢のせいか、彼女はその他の同級生に比べるといくぶん太って見えました。
彼女の人となりは悪くはありませんでしたが、勉強には骨が折れるらしく、皆についていけませんでした。しかし、彼女はとても努力していたので、私はとても彼女に同情しました。彼女も私と同じく寄宿生なため、私たちは毎日一緒に過ごし、夜になると一緒に自習し、お互いに討論し、助け合いました。
顔喜貴も関秀琴と同じく石岩小学校から来ました。彼は私のクラスの組織委員の外、生活委員も兼任していました。彼の人となりは質素で仕事に忠実でした。クラスには寄宿生が多かったため、生活委員の仕事は大変でしたが、彼のすることはとても細密で、しかも周到でした。
後になって、彼もまた日本人の子供だということを聞きました。彼のお母さんは、彼とそのお姉さん、さらに三人の弟を連れて、石岩村の「顔」という名の農民に嫁入りしていました。それゆえ、彼は母親とまだ一緒にいられたのです。
(続く)
(09/10/25 05:00)
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