【大紀元日本11月5日】「大粛清を行ったスターリン政権を正当化してはいけません」
ロシアの「政治弾圧による犠牲者追悼日」の10月30日、今だにスターリンを英雄視する人たちを厳しく批判するドミトリー・メドベージェフ大統領のメッセージビデオが、政府ウェブサイトで流された。大統領によるスターリン政権に対するこの異例の批判に、ロシアの新たな動きの兆候かと期待する声が挙がっている。
1920年代から30年代の旧ソビエト連邦で、スターリン政権下で行われた大粛清(大規模な政治弾圧)と農業集団化によって数百万人の国民が犠牲になった。しかし、昨年のテレビ投票では、偉大なるロシア人としてスターリンが4位になるなど、第二次世界大戦でソ連を勝利に導いたとして、ロシアにはスターリン称賛の傾向が残っている。
「国民が噛みしめてきた悲劇の記憶は、勝利の記憶同様、聖なるものと確信しています」とビデオの中で、メドベージェフ大統領は語った。
「多大なる犠牲は高く掲げられた国家目的の前で正当化されるという言葉を今でも耳にします。しかし、人間の損失、悲嘆を代償にして、国家の発展、成功と大望を築くことはできません。人命より高く掲げることのできる価値観はなく、弾圧を正当化するものは存在しません」
「政治弾圧による犠牲者追悼日」は、1974年10月30日、数カ所の収容所の囚人たちが、政治的理由で拘留されている囚人のための日と宣言したもので、1991年の旧ソビエト連邦崩壊直前に、正式な追悼日として制定された。
メドベージェフ大統領は今年5月、第二次世界大戦に関する歴史捏造対策委員会を設置したが、この動きを非難する歴史家も一部に存在するため、大統領はビデオの中で、自分の立場を次のように明確に伝えた。「歴史の捏造をただすために注視していきます。第二次世界大戦の受け入れられない部分を再考察するだけだと思いがちですが、その正当化を防ぐことも同様に重要なのです」
さらに、「子供たちに、法律、人権、人命の価値、そして私たちの伝統と宗教が生み出した道徳観を尊重することを伝えるのは、私たち以外にありません。歴史的な記憶を保存し、次の世代に伝えることができるのは、私たちだけなのです」とメッセージは続く。
歴史を伝えるための博物館や著書の必要性を主張する、追悼権利擁護団体のアルセニー・ロジンスキー会長は、AFPの取材に応じて、「重要な発言。特に必要とされる発言だった。これらの言葉が受け入れられるのであれば、全く新しい動きにつながる可能性がある。大統領が実際の行動に出るかを見守る時期だ」とコメントしている。
(編集・鶴田)
(09/11/05 07:55)
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