大紀元時報

米、中国情報部員を逮捕・起訴、航空宇宙技術を狙う中国スパイ網

2018年10月13日 14時10分

米司法省は10日、企業の機密情報窃盗の疑いで、ベルギーから身柄を引き渡された中国情報機関の工作員を逮捕・起訴したと発表した。

逮捕・起訴されたのは中国江蘇省国家安全庁第6局副処長(次官)を務める徐彦君(Yanjun Xu、音訳)被告だ。同庁は、中国の情報機関である国家安全部(MSS)の傘下組織だ。徐氏は、曲輝(Qu Hui、音訳)と張輝(Zhang Hui、音訳)の2つの仮名を持つ。

司法省は、2013年以降、徐被告は米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEアビエーションを含む複数の航空宇宙関連企業の機密情報の窃盗を企てたと指摘。今年4月、米国の令状でベルギーで同被告の身柄を拘束し、9日に米政府に引き渡された。

同被告は、米国へ身柄を引き渡された初めての中国当局幹部だ。

連邦捜査局(FBI)スパイ防止部門のビル・プリースタップ氏は「今回の中国情報部員の前例のない引き渡しで、中国政府が米国への経済スパイを直接監督していることが明らかになった」と述べた。

航空宇宙研究者を狙うMSS

起訴状によると、徐被告は航空宇宙関連の技術者・研究者などを標的に、情報入手を画策してきた。標的となった米技術者に、中国の大学での講演を依頼するなどの方法で接近していた。中国までの渡航費用、滞在中の費用も負担していたという。

米メディア・ワシントン・フリー・ビーコン(10日付)によれば、同被告は、中国江蘇省科学技術振興会の代表と名乗り、オハイオ州で秘密情報活動をしていた。江蘇省科学技術振興会は架空の組織。

同被告が入手した米航空宇宙の機密情報はその後、江蘇省にある南京航空航天大学の専門家の手に渡された。この大学は中国工業および情報化部の管轄を受けている。このスパイ活動に、中国商用飛行機有限責任公司と中国航空工業集団有限公司が関与しているとみられる。

米政府によると、機密情報窃盗の被害受けた米企業は3社あるという。

米司法省は13年12月から、徐被告について調査していた。捜査当局は、中国当局の幹部と米企業との間で行われた電子メールのやりとりを取得し、その中から中国国家安全部の経済スパイの動きに気付いたという。電子メールは、中国当局が複合材航空機用プロペラの技術の入手に関する内容だった。

中国の経済スパイらは、米企業航空機のターボチャージャー、エンジンバルブなどの開発・研究・生産に関する技術、無人機技術も狙っている。

起訴状では、米政府は徐被告に対して、経済スパイ活動や商業機密情報の窃盗など4つの罪で起訴している。判決で有罪となれば、同被告は最長25年間の懲役と罰金を言い渡される。

中国人留学生もスパイ活動

中国国家安全部が米国に張り巡らせた経済スパイ網に中国人留学生も活動している。

米司法省は9月25日、イリノイ州シカゴで中国出身の27歳の男、紀超群をスパイ容疑で逮捕したと発表した。紀超群は2013年に学生ビザで入国し、イリノイ工科大学で電気工学を専攻していた。

FBIの捜査では、紀超群は13年11月、江蘇省国家安全庁の情報工作員と初めて接触し、その後中国で数回会ったと分かった。FBIの起訴状によると、これ以降同工作員は、米での秘密情報活動に関わった紀超群の上司となった。また同工作員は「大学の教授」と名乗り、紀超群に接近を試みた。紀超群の任務は、米の技術者や研究者らに関する情報の提供だという。

FBIは二人が交わしたEメールを入手した。Eメールで、紀超群は中国行きの渡航費の請求先を江蘇省のとある住所に送るようにという指示を受けた。その住所は江蘇省国家安全庁の所在地だと、FBIの調査で分かった。

米ニューヨークタイムズの9月の報道によると、紀超群氏の上司とみられる中国工作員はすでに逮捕されたという。

米政府やメディアの報道をまとめると、このたび米に身柄を引き渡された徐彦君被告がその上司である可能性が高い。

(翻訳編集・張哲)

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