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アメリカの対中関係のキーポイント

文・蔵山

 【大紀元日本12月24日】オバマ米大統領が就任後はじめて、中国を含め、アジア各国を訪問した。当初の予想通り、今回の訪問はあまり成果を収めなかった。ただ、「人権問題は両国の経済貿易関係に道を譲るべきである」といった言論を口にしなかったことは幸いであった。

 アメリカの対中政策を理解するには、アメリカが国として恐れているところが分かれば大体分かる。アメリカは、反テロ、核拡散の防止とアメリカドルの地位維持を最重要視している。これらの基本政策は、アメリカ人の世界情勢の発展趨勢に対する懸念と不安を反映しているといえよう。

 アメリカにとって最も重要な地域が二つある。一つはヨーロッパと大西洋で、もう一つはアジアと太平洋である。ヨーロッパにおいて、EUが一つの利益共同体となっており、アメリカと多くの共通利益を持っている。たとえば、欧州の安全は多くの部分をアメリカを中心とするNATOに頼っている。

 アジアの状況は複雑に入り組んでいる。共産党中国の最も重要な基本政策は明らかに、共産党の統治地位を保つことであり、経済成長と社会安定はその次であろう。

 しかし、中共政権の権力維持は、米中政策の交差点と衝突点には含まれていない。アメリカと中共の中核利益が互いに妥協し合っているとき、人権問題は往々にして見放されるものになってしまう。アメリカの一部の権力者は、中国を民主国家にするよりも共産党に権力を維持させたほうがより有利であると考えている。なぜならば、中共政権が存続する限り、中共と周辺国とのバランス関係の維持はアメリカに頼らざるを得ないからである。日本、韓国、台湾と他の東南アジア諸国は、アメリカのアジアへの介入を望んでいる。シンガポールの元総理、リー・クアンユー氏はかつて、東南アジアのバランス関係をとるにはアメリカが必要だと公言したという。

 中共にとっても、反テロ、アメリカドルの地位を支持する等のことは、自分自身の利益にも合っている。しかも、これらの共通利益によって、中共の人権侵害に対するアメリカの沈黙と引き換えにするのは、中共にとって非常に割に合う交易である。

 アメリカ国防総省の情報専門家が、中共軍隊の数千の公開・非公開の情報を収集して研究した結果、中共軍部の制定した90%以上の戦略と戦術はアメリカを仮想敵国としていることが分かった。国防総省はこれをよく認識しており、国防総省と国務院が対中基本政策においていつも衝突する原因はここにある。

(翻訳編集・張陽)


 (09/12/24 08:12)  





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