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唯一の道路が水没したツバル(ネット写真)

環境問題:海中に沈みゆく国=ツバル

 【大紀元日本12月10日】

 高速道路が寸断され、火山が爆発、死に瀕するホッキョクグマ、水没する国、などなど。

 これは映画『2012』の中だけの出来事ではない。気候変化はすでに21世紀において地球が直面する最も厳しい挑戦の一つだ。地球温暖化が作り出す自然災害や温室効果はすでに太平洋地区の数十か国の島国を消失という不幸な運命に直面させているのだ。

 広州日報によると、1993年から現在までの16年間に南太平洋に位置する島国ツバルの海水面は総合で9・12センチ上昇した。この数字に照らし合わせ計算すると、50年後、海水面は37・6センチ上昇しており、少なくとも国土の60パーセントが海中に沈むことになる。これはツバルにとって滅亡を意味している。なぜなら満潮時にツバルの土地は海中に埋没してしまうからである。

 ツバルは世の中からほぼ隔離された地方で、毎月1便のフェリーと毎週30便の飛行機しかやって来ない。

 島内には1本の道路しか無く、その両側はどちらを向いても海が見える。時折、道路の中間にある窪地から海水が湧き出し、気をつけなければ道路と一緒に沈んでしまうような感覚に陥る。

 地形も平坦で、満潮時には多くの場所、島の中央に位置する唯一の道路までもが海水に飲み込まれる。大潮の時、波が打ち寄せ、直接島全体を通り別の方向へ流れていくので全家屋が海水に浸かることになる。日没後は注意しないと海に向かって歩いて行く危険性があるので、決して外出してはならない。

 1993年から現在までにツバルの国土面積はすでに2パーセント縮小した。ツバルの土地はサンゴ礁で形成されているが、地球温暖化により珊瑚の成長速度が遅くなり、更には大量死が確認された。サンゴ礁の上にあるツバルはこのために沈んでいくのである。

 ツバル大統領秘書ケレソマ・サロア(Kelesoma Saloa)氏は、ツバルには農・工業がなく、いくつかのサービス業があるだけである。外貨準備高はゼロで、地元の人々は主に外国での就労あるいは定住する親戚の送金に生活を頼っている。小物ではタオルや歯ブラシ、大きなものはエアコンやバイク、これらすべてを輸入に頼っているため物価が非常に高い。スーパーで普通のタオルが約17ドル、ラジオが35ドル、ミネラルウォーターが1本2ドルする。

 また、変質しやすい野菜は現地では非常に珍しい食品だ。長い間、肉類を主食とし野菜のない生活をしてきたため、現地では3、40歳で脂肪肝、高血圧、高血脂、心臓病などが見られる。平均寿命は50歳に満たない。

 海水がツバル人のすべての資源を奪い去っていった。現在、すでにツバルは人が住む場所としては不適合になってしまった。サロア氏によると島民は以前、野菜や農作物を作っていたが海水で全て死んでしまうため、今はだれも栽培していないそうだ。

 駐フィジー大使館ウアレ・タレニ大使の提供データによると少なくともすでに6千人以上がツバルを離れ海外へ移民しており、現在ツバルで生活をしているのは1万人だという。問題はツバルにはハイスクールが1校しかなく、技術工業学校が1校もないことだ。このために海外へ出稼ぎに行っても最下層の仕事、例えば果物栽培、農作物の刈入れ、清掃員などの仕事をするしかない。

 ツバル天然資源・環境省マタイオT.マタイオ(Mataio T.Mataio)環境局長は、現在ツバルの移住者を受け入れたい国は一つもないと話している。

 「私は、地球上の60億人が我々に対し謝るべきだと思う」フィジーの首都スバで流浪するツバル移民ミティアナ・トレボー(Mitiana Trevor)さんがこの言葉を淡々と話した時、心が震わされる気がした。環境変遷のため、海外で流浪するツバル人は日々、故郷や身内を想い、家を守るツバル人はいつも飛行場や埠頭をながめ、身内の姿を見つけようとしているのだ。

 南太平洋は世界でも小さな島国が集まる地域で、海抜は非常に低い。南太平洋大学海洋系の環境・発展持続センターPACE-SD(Pacific Centre for Environment and Sustainable Development)のトニー・ウェアー主任(Tony Weir)は本当にどうすることも出来ないと感じていると話す。

 「我々はみな、災難に直面していることを知っているのに、それらの政府が我々専門家の提案を聞くだけで、青い星が戻れない道を行くのを横目で見ているだけなのか」

 太平洋で起きている悲劇は多くの国の沿岸都市の「未来の姿」である。科学者は普遍的に、地球の温度が2、3度上昇したらグリーンランドの氷は全て溶解し、全世界の海面が少なくとも7m上昇し、上海などの大都市は全て海中に沈むと予測している。

 このまま現状に任せて発展していけば、今世紀末、気温は少なくとも3・6度上昇する。

(翻訳編集・坂本)


 (09/12/10 05:00)  





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