THE EPOCH TIMES

日本の「質素」に落胆した中国人留学生に物申す

2010年01月31日 08時18分
 【大紀元日本1月31日】多くの中国人は、国内で反日教育を受けて育ってきたが、実は日本に対する関心は意外と高く、中国の各サイトの掲示板の書き込みなどでも、日本で起こった事柄や見聞きしたことなどの話題が少なくない。これまで教科書やメディアの報道で知った日本に対する印象とのギャップに驚き、反省する声も多く聞かれる。最近、中国の人気掲示板サイト「天涯フォーラム」に、次のような書き込みがあった。

 友人のお子さんが東京に留学した時のことだ。彼女は、モダンで快適な学生生活を夢見て、世界有数の大都市・東京にやってきたのだが、これから生活する念願の学生寮に入ったとたん、あまりにも質素なたたずまいと生活に落胆し、自分が抱いていた日本の華やかさとのギャップに戸惑いを感じ、思わず泣き出したのだという。ランチを食べても、高い値段の割には、これまたずいぶんと質素だと感じた彼女は、なんとしても帰国したい、日本には居たくないと言ったそうだ。

 確かに、ここ数年来、中国の一部の人たちの生活はよくなってきた。100㎡、200㎡の豪華マンションに住めるようになった友人も増え、衣食も満ち足りている。また、中国にはリニア・モーターカーのように世界に誇れる近代的な優れた物などもある。さらに、中国の大都市には諸外国に負けないぐらいの高層ビルが立ち並ぶ。確かに、中国の大都市の生活レベルを他国と比較して見ると、家の住宅面積や食事面から見れば、すでに先進国に追いついたと言っても過言ではない。その点からすれば、比較的裕福な家庭で育った中国の子供たちが、初めて東京に来たとき、どうしても自分が描いていた東京での優雅な生活とは全く違う、現実の「質素」な生活に驚き、落胆するのだ。

 しかし、実際はどうなのだろうか。東京での一見質素な生活、そして日本の生活レベルは、私たち中国の大都市のレベルに劣り、日本から学ぶ物はもうなくなったのであろうか。

 まず、一番比べ易い両国の1人当たりのGDP(国内総生産)を見てみると、日本は中国の10倍である。このような隔たりは、単純に生産量の拡大、投資の増額で解決できるものではなく、もっと商品の品質の面で工夫を凝らし、技術的に高い商品を作っていかなければならないと思う。「質の向上」という面において、日本から謙虚に学ぶことが、これからの中国にとって大きな意義があるのではなかろうか。

 また、先進国の人口の地域的な集中度を示す「都市化率」が平均90%であるのに比べ、中国の都市化率はまだ50%弱に止まっている。中国の今後の経済成長は、都市化にかかる部分が大きい。都市化の過程で、地方から大量に農民が流入し、ライフラインの整備が追いつかないまま、劣悪な生活を余儀なくされる「スラム」(貧民)が生まれる。そのうち、彼らが「スラム街」を形成することになり、都市の治安も脅かされる。このようなスラム街は世界中の多くの大都市に見られるが、日本にはほとんどない。地方からの出稼ぎ労働者が多く、「スラム」問題が深刻になっている中国にとっては、日本の都市化へのプロセスが、今後、最も参考になるはずである。

 さらに、一般的な事柄として、環境面での清潔さや、交通の便利さなど、身の回りにあることだけでも、日本に学ぶことがあまりにも多い。ひとつずつ学んでいくのもいいが、それらの根底にあるものとして、公共のマナーの良さはまさに私たち中国人に最も欠けているもので、学ぶべきものである。清掃の専門業者に頼らない清潔な環境の維持には、ひとりひとりの高い公共マナーに対する意識が必要であり、便利な交通には、高度な技術以外にも、譲り合いや互いに思いやる心といったマナーが必要である。座席の決まっている飛行機でさえも我先にと乗り込む我々のマナーでは、いくらハード(物質)の面で充実しても、日本の便利さは手に入らないであろう。実際、中国の道路は日本より広く、走っている車は日本より少ないのに、深刻な交通渋滞が日常茶飯事に起こり、毎年の交通事故死亡者数は日本の15倍にも上る。規則を守る、譲り合う、他人に迷惑をかけないなど道徳観の向上を重視しなければ、ソフト(モラル)の面での先進国入りへの道のりはまだまだ遠いであろう。

 東京の「質素」に見える生活はもしかして、まさにこのソフト面での発達の現れかもしれない。謙虚で堅実、控えめだが、力強い、日本人の持つ美意識に「わびさび」がある。日本のほとんどの物は、華やかではないものの、洗練されていて、使い勝手がいい。中国の物とは正反対である。中国では立派そうに見えるマンションが、入居してすぐ水漏れに悩み、1年もしないうちに、建具の変形に悩み、10年もしないうちに、建物自体が危うくなることもしばしばである。うわついた心で、表面的なものばかり追求する発展には限界がある。「地に足がついた」発展、日本人のこの堅実と質素こそが、我々が一番学ぶべきものではなかろうか。

(翻訳編集・攀登)


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