THE EPOCH TIMES

地震寄付金の行方に疑問 チベット族作家、「国家転覆罪」で拘束

2010年04月30日 01時00分
 【大紀元日本4月30日】青海省大地震から2週間が経過し、寄付金集めのキャンペーンが進んでいる。同省西寧市に住む一部のチベット族作家や学者らはチベット語で、地震で亡くなった人たちへの哀悼文を連名で綴り、寄付金を集めて被災区へ送付する準備を行っていた。同書簡は、寄付金は着服される可能性があるため、団体や個人は出来る限り自ら被災地に届けることを提案している。しかし、哀悼文に署名した一人、作家のタギャル(Tagyal)氏が最近、「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、中国当局に拘束されたと伝えられている。

 青海省出身のチベット語研究者で詩人の東賽氏によると、タギャル氏は当局から家宅捜索を受け、パソコン2台を押収されたうえ拘束されたという。東賽氏は、寄付金の着服について鋭く批判した哀悼文が当局の逆鱗に触れ、タギャル氏の逮捕につながったと考えている。

 被災地である青海省玉樹には、多くの救援物資や寄付金が寄せられており、その額は30億元(411億円)を超えると伝えられている。08年に起きた四川省大地震の寄付金が流用され、汚職に利用されたとの醜聞が伝えられており、今回の青海省大地震の寄付金の行方は、とりわけ注目されている。

 「チベット人の頭上に強権、武力、更には残酷にも天災が」

 哀悼文に連名で署名したのは、ショクドゥン氏のほか、歌手で社会評論家のジャムヤン・キー(Jamyang Kyi)氏、ラモ・キャブ(Lhamo Kyab)氏、サンドル(Sangdhor)氏、サンギャイ・ドンダップ(Sanggyay Dhondap)氏、大学教授であるタボ(Tabo)氏、著名な芸術家のマンルハ・キャブ(Manlha Kyab)氏など。

 哀悼文には、「平和を愛するチベット人の頭上に、強権、武力と残忍が覆い被さっている。今回は、更に天災に見舞われた」「どんな苦境にいても、金銭で買えない民族の共通性を有している」と書かれている。

 また、被災地区への寄付金については、当局の対応を批判し、汚職や着服などの問題も指摘する。

 「当局の宣伝機関の報道を信じることは出来ないし、当局をも信じることはできない。当局は政治的な目的から、被災地へ助けに行く人々を阻止している。我々は、各界の学者や幹部たちが、被災した人々の身になって食べ物、衣類、薬などを提供してくれるよう望んでいる。皆さん、寄付金を、納税するかのように組織やグループの口座に入金しないでほしい。信頼できる人に頼んで、届けてもらいたい。汚職や着服などの悪習がないところは、どこにもないからだ」

 チベット人学者、「国家政権転覆扇動罪」により逮捕

 東賽氏によると、23日午後5時過ぎ、西寧警察がタギャル氏を職場から連れ出し、家宅捜索のうえパソコン2台を押収。その後、同氏を連行したという。その晩、警察は「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、タギャル氏の家に逮捕状を送っている。

 東賽氏の見解では、今回のタギャル氏逮捕には2つの要因がある。ひとつは、同氏が最近出版した『開天僻地』という著書で、チベット人と政府の関係、チベット人の現実的な活路について書かれている。タギャル氏の妻によると、今月12日、経営している書店の閉店命令が出され、『開天僻地』も全て警察に押収されたという。

 もう一つは、救援物資や寄付金の行方について疑問を投げかけ、直接被災者に送るよう提案した哀悼文。タギャル氏は、同書簡に連名で署名している。

 東賽氏によると、中国共産党の体制の問題で、救援物資や寄付金は各レベルで搾取され、被災区に届くころにはかなり少なくなっているという。

 大地震の「解けない謎」

 東賽氏はさらに、青海省大地震にはまだはっきりしない部分があると指摘する。

 第一に、中国軍が被災地に到着したのは、非常に早かった。ある程度、予測していたとも考えられる。もしそうならば、なぜ人々に事前に知らせ、被害を少しでも抑えられなかったのか。

 第二に、今回の地震について、米国や西側諸国はほとんどM6・9と伝えているにもかかわらず、中国はM7・1を固持している。この差には、一体何が隠されているのか。

 第三に、中国政府は今回の地震による死者について「2千人以上」と発表しているが、被災区の人々は、死者は1万人以上と伝えている。

(翻訳編集・坂本)


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