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懸空寺(ウィキペディア)

断崖絶壁に建つ寺、千4百年間不動のまま=中国伝統建築

 【大紀元日本5月7日】懸空寺(けんくうじ)は、中国山西省渾源(フンユァン)県城から南へ5キロ、北岳恒山の下、龍口西峰の絶壁にある。中国の北魏時代の後期に建築され、のちの金、元、明、清の時代において修繕された。懸空寺は3階建ての寺院で合計40の部屋があり、屋根の上には巨大な岩石、下には深い谷があり、断崖絶壁を掘り礎石にした一見危険な建築物だが、千年以上経てもびくともせず不動のままである。

 懸空寺の建築構造は大変精巧であり、木材は縦と横に組み合わされており、横になる木材は「鉄扁担(ティェ・ビァン・ダン)」といい、地元の特産品「鉄杉」の杉の木を加工した四角い木材である。この「鉄扁担」を岩壁に深くしっかりと差し込み建物を支えている。「鉄扁担」は桐油(桐の種子から採取された油)に漬けてあることから腐りにくくなっている。

 一方、縦の木も建物全体を支えられるように細心の注意を払って計算されてある。縦の木材の一部は重量を支え、一部は建物の高さのバランスを取るための物であると言われている。また、一部の縦木に対して一定の重量を加えなければ、実質上に支える作用が発揮できないという。このような極めて奇妙で複雑な原理は現代の科学理論では考えにくいため、遠くから見た懸空寺は「空中に吊るしあげている三本の馬の尾」と言われている。

 懸空寺は今から千4百年以上前の、北魏時代に「了然(リァウラン)」という和尚が建てた寺だと言われている。長い歴史の中で幾度かの修繕を行い、何度も地震を経験したが建築の構造は依然としてしっかりしている。これはまさに建築史上で奇跡だと言わざるを得ない。また、この寺の建造は全く一般の建築基準に沿って建てたものではないことが最も不思議なところでもあるのだ。

 この寺は居住者に対しても条件がある。即ち、自然体でいられるということだという。もともと、臆病な人は空中に住む勇気はないであろうが、ここには40の部屋があり、各階は螺旋状の階段で繋がっているので前方を登る者はまるで後方を登る者の頭を踏んで上がっているように感じる。また、寺の中央から両側の部屋に通じる桟道があり、木造であるため、それを踏む度に「クィ、クィ」という音が出る。板と板の隙間から深い谷がはっきりと見え、とても恐ろしい眺めである。

 何故、和尚は寺をこのような断崖絶壁に建てたのか?現代の建築家なら、自然環境の変化によって岩石が剥がれ落ちたり、風化、山崩れなどのリスクがあることから、きっとこの建築プロジェクトを真っ向から反対したであろう。しかし、和尚はこのようには理解していなかったという。和尚は仏を修める者であり、仏は仏を信じる者を守るし、山は山の神が管理するなどと考えていた。それぞれの運命があるからリスクがあっても自然に従えば良いのだと考えていたようだ。

 実際、千4百年も経った今、懸空寺は和尚たちの正しい信念を証明したのだ。それがなければ、断崖絶壁に寺を建てることも出来なかったであろう。

(翻訳編集・豊山)


 (10/05/07 05:00)  





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懸空寺  建築  断崖絶壁    


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