THE EPOCH TIMES

新型ステルス戦闘機初飛行 胡主席は蚊帳の外?それとも知らぬ振り?

2011年01月13日 07時15分
 【大紀元日本1月13日】中国人民解放軍が開発を進めている新型ステルス戦闘機「殲20」の試験飛行が行われたと国内各メディアが伝えた。ゲーツ米国防長官が中国訪問中に行われた同試験は、「中国の軍事力を見せつけ、米をけん制する目的」と見られているが、ロサンゼルスタイムズが米政府関係者の話として伝えたところでは、胡錦濤主席には試験飛行の実施は事前に知らされていなかったという。

 ロサンゼルスタイムズ1月11日の記事によると、ゲーツ国防長官は会談の際、胡錦濤主席に同飛行について言及したが、「胡主席と、軍関係者以外の同席者は、誰も試験飛行が実施されたことを知らなかった」という。実施を確認後、胡主席は「飛行はあらかじめ予定されていたもので、ゲーツ国防長官の訪中とは無関係だ」と説明したという。

 中央政府を飛び越した軍部の行動か

 胡主席は蚊帳の外に置かれてしまったのか。今回の出来事は中央政府の軍への統制力が弱まったことを意味する、との憶測も再び高まっている。

 ロサンゼルスタイムズの記事では、今回の飛行は「北京政府が空軍に対していったいどのくらいの統制力を持っているのか、という疑念をさらに深めた」と述べ、米中関係において「軍は強硬路線を取っている」としている。

 ゲーツ長官も会見で、中国軍の「文民統制」について「懸念している」とし、「文民」と軍人両方が参加する対話の重要性を強調した。

 ワシントンポストは昨年の記事で、中国外交の路線は、各利益集団の激しい勢力争いにより混乱していると指摘していた。この勢力争いの図式に、次世代の軍首脳や党中央及び国務院所属部門、さらに国営企業及び官製メディアが、中国の対外関係について定義しようとする争いが見られるとしている。「中共総書記の座にすでに8年就いている胡錦濤だが、本当に実権を握っているかどうか、外部にはいまだ知られていない」とワシントンポストはコメントした。

 それとも胡主席の外交辞令?

 一方、ゲーツ長官に対する胡主席のコメントは、「殲20」の実施を知りながら知らぬ振りをしているだけであるとの見方もある。

 「胡主席は中央軍事委員会主席として毎週数回国防ダイジェストに目を通しているのに、中国最先端戦闘機に関する動向を見落とすはずがない」と、中国軍事問題専門家であるリチャード・フィッシャー(Richard Fisher)氏は米VOAの取材に対して述べた。胡主席がゲーツ長官に対して発したコメントについて、「まったくのでたらめ」と、フィッシャー氏は否定的な見方を示している。

 胡主席の予想外の反応について、フィッシャー氏は「試験飛行の実施はすでに米をけん制する目的を果たしており、胡主席が会談の席で見せびらかす必要はない」として、米への刺激を避けようとしたと分析する。

 去年末、インターネットに「殲20」の滑走実験時の写真が投稿され、今でもアクセス可能である。情報封鎖の厳しい中国では、政府にとって都合の悪いものは即削除されるため、最高レベルの軍事機密の漏えいとは考えにくく、中国政府が意図的に写真を流布させた可能性が極めて高い。

 今回の試験飛行に関する中国国内の報道にも不可解な点が多い。

 新華社通信の公式サイト「新華網」は、成都市のネットユーザーの目撃情報として初飛行の成功を報じた。人民日報傘下の「環球網」は「多数のネット情報」を情報源に「殲20」の初飛行を伝えた。人気大衆紙「新京報」もインターネットからの情報として飛行の実施を伝え、ネットユーザーが撮影した「殲20」の写真を掲載した。

 政府メディアはなぜ、公式ルートを通して確実な情報を報道せず、ネットユーザーの情報を引用する必要があるのか。国内の世論に対して米国に強硬な態度を見せかけながら、対外的には米国を真正面から刺激することを避けようとする中央政府の一貫の手法であると考えられる。

(翻訳編集・高遠)


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