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中国人民銀行は8日、0.25%の利上げを発表したが、専門家は「インフレ抑制効果は限定的」と見ている。写真は、上海市内を独りで散歩する男性。(PHILIPPE LOPEZ/Getty Images)

旧正月中突然の利上げ インフレ抑制効果は限定的

 【大紀元日本2月10日】中国人民銀行(中央銀行)は旧正月連休最終日の8日、今年初めての利上げを発表した。利上げ率は0.25%である。一段と強まる金融引き締め策は、加速しているインフレを抑制できるのか。その効果は限定的だと専門家は見ている。

 中央銀行の公式サイトによると、2月9日から金融機関の人民元預金基準金利と貸出基準金利をそれぞれ0.25%引き上げる。期間1年の基準金利は預金が3.00%、貸し出しが6.06%となる。

 中央銀行は、今回の利上げは、現在のインフレ状況を抑制するためであると明確に示しているが、預金と貸出の基準金利の引き上げは中国のインフレ状況をどこまで抑えられるか疑問視する専門家がいる。

 米国の信用格付け業者のムーディーズが所有するEconomic.comの経済学専門家パクト氏の分析によると、預金と貸出の基準金利の引き上げは昨年だけで6回行われており、10月から計算しても今回ですでに3度目となる。昨年12月のCPI指数の対前年同期比で4.6%上昇し、11月に比べやや低下したものの、依然として高水準を保っている。明らかにその効果は限定的であるといわざるを得ないという。

 食品の値上がりで押し上げられたインフレは、昨秋以後、干ばつや寒害の影響で、さらに加速する懸念が高まっている。国際連合食糧農業機関(FAO)の最新報告によると、世界の食糧価格は7カ月間連続で上昇し、1月には史上最高値に達した。さらに世界的な食糧の高騰を背景に、G20が高騰の監視体制を導入する準備に入ったことが日本経済新聞の報道で明らかになった。

 VOAの報道によると、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は継続的に上昇し、1月のPMI指数は70に近づいた。輸入コストの高騰、とりわけ輸入資源の価格高騰、いわゆる輸入型インフレがさらに続く見込みだ。中国の1月のCPI上昇率が6%に達すると専門家は予測している。

 Capital Economicsの中国経済専門家マーク・ウィリアムズ(MarkWilliams)氏の最近の報告書の中で、今回の中国政府の金融引き締め政策は予測された通りのもので、2011年の第2四半期でさらに金利の引き上げが実施される可能性があるという。

 一方、Economic.comのパクト氏は、インフレを抑制するためのより有効な手段は人民元の切り上げであると強調している。理由は世界的な食糧価格の上昇を抑制でき、同時にエネルギーや原材料の輸入価格の高騰による輸入型インフレの圧力が緩和されるからだという。

 物価高がさらに進めば、国民の不満が一気に膨らみかねない。エジプトやチュニジアなどで相次ぐ政権批判や民主化運動、そして89年の天安門事件も高騰する物価が引き金となった。この難局をどう乗り切るのか、中国政府の次の一手に注目が集まる。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/02/10 09:14)  





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インフレ  利上げ  人民元切り上げ  社会不安  


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