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中国、不動産バブル崩壊を控えるも なす術なし=世界銀行専門家

 【大紀元日本4月5日】世界銀行の開発展望グループの担当局長を務めるハンス・ティマー(Hans Timmer)氏は3月29日、石油価格と食品価格の継続上昇が、中国政府が今までかろうじて維持してきた通貨政策に影を落とし、中国の不動産に潜むバブルの管理にも新たな課題をもたらしかねないと警告した。中国の金融サイト・FX168が報じた。

 ハンス・ティマー氏によれば、中東や北アフリカの石油供給問題で石油価格が上昇しているのに加え、食品価格も上昇しつづけている事態は、中国にさらなる深刻な悪性通貨型インフレをもたらす可能性がある。両者の価格上昇は実質所得を押し下げているだけでなく、その他の商品価格も上昇させるという価格スパイラルが始まっているという。

 これは中国政府が最も恐れていることで、政府が現在進めている緩やかな緊縮政策は失敗に終わる可能性があるとティマー氏は指摘する。

 2008年の金融危機勃発後、中国は市場に4兆元を投入して経済を支えてきたが、それによって低利貸し付けが溢れ、資産バブル崩壊を防ぐため通貨抑制政策を始めざるを得なかった。経済学者の指摘によれば、中国企業、とくに国有企業が中国政府の提供した無利子貸し付けを不動産に注ぎ込み、開発案件や商業地を取得して利益を得てきた。不動産価格が急激に上昇していることから、経済学者は、不動産バブルはすでに形成されてしまったと考えている。

 ティマー氏は、政府の低利融資が作り出した債務総量は計り知れないと指摘する。仮に政府が不動産価格の過度の上昇を抑えても、新たな危険として、かなりの債務は低利を前提としてかろうじて維持されているが、金利が上がればすべて不良債権となる。これは米国ですでに見られた問題だ。

 中国市場は今、不動産バブル崩壊を控えながらもなす術はないとティマー氏は述べた。不動産暴落がいったん始まれば、新たな問題が踵を接して起きるだろう。もし中国人民銀行(中央銀行)がある程度のインフレ率になった時に通貨緊縮を始めるとすれば、資産市場は困窮に陥るというジレンマもあるとティマー氏は指摘する。

(編集・張凛音)


 (11/04/05 07:40)  





■キーワード
インフレ  不動産  緊縮政策  低利融資  通貨抑制  バブル  低利貸し付け  


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