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音波探知の能力を持つダニエル・キッシュさん(YouTubeより)

目の不自由な人 超音波で物体を認識=カナダ研究

 【大紀元日本6月17日】イルカやコウモリなど一部の動物は超音波を発し、その反響によって物体を認識することが分かっているが、人間にもその能力があるのだろうか。一部の視覚障害者たちが健常者と同じように自転車に乗ったりすることができるのは、超音波を使っているからであるとカナダの研究者らは主張している。同論文は先月、オンライン科学ジャーナルPlos ONEに掲載された。

 論文によると、一部の視覚障害者たちは軽く舌打ちをして小さな音を発し、その反響で周りにある物体を認識しているという。主執筆者で西オンタリオ大学のロア・テイラー博士研究員は、微小なマイクロフォンを2人の視覚障害者の耳に取り付け、舌打ちとその反響を録音した。その後、テイラー氏は2人に録音を聞いてもらい、彼らの脳のスキャン(fMRI)を観察した。

 その結果、録音を聞いた視覚障害者たちは、物体の「形、動き、場所などを極めて正確に」識別していたという。

 fMRIの観察で興味深かったのは、視覚障害者たちが音波探知をする時、脳の後頭葉鳥距野(calcarine cortex)が、活発化していたことだという。この部分は、健常者の場合、視覚で見た情報を処理する場所だ。また、視覚障害者たちが音波探知をする時、脳の聴覚を司る部分に動きは見られなかった。

 「視覚障害者が超音波を使う時、脳の視覚を司る部分が重要な役割を果たしている」とテイラー氏は話す。一方、健常者が超音波の反響の録音を聞いても物体の認識はできず、脳も反応を示さなかったという。

 共同執筆者であるロットマン研究所のステファン・アーノット氏は、「健常者も超音波の訓練をすれば、脳の視覚を司る部分が使われるかもしれない」と話している。

 
(YouTubeより)

(Giner Chan/ 翻訳編集・郭丹丹)


 (11/06/17 07:00)  





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