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瑞信方正証券によると、GDP比166%に達した中国の債務残高は、中国実体経済の運営の脅威となるという。写真は売却率の低い不動産(STR/AFP/Getty Images)

中国の債務残高、GDPの1.5倍超える 瑞信方正証券発表 

 【大紀元日本7月6日】 中国国内資本の証券会社・方正証券とクレディ·スイスの合弁会社である瑞信方正証券が最近、「鳳凰網」に発表した論文によると、2010年の銀行融資の増勢はある程度抑制されたものの、資本市場融資、銀行のオフ・バランスシート・ビジネスによる融資及び企業社債の増大により、2011年3月末までで、中国の債務残高のGDP比は166%に達したという。さらに同論文は、この高負債率は銀行及び中国の実体経済の運営に脅威をもたらし、中国全体の経済政策にも影響するとの見解を示した。

 中国人民銀行(中央銀行)は今年5月に発表した「中国貨幣政策執行報告」の中で、初めて「社会融資規模」をマクロ・モニタリングの指標として使用すると発表した。これによると、中国の社会融資の範囲は、新規本・外貨融資、銀行のオフ・バランスシート・ビジネスによる融資、社債により提供した融資額の合計であるという。

 長い間、中国人民銀行は人民元融資額と通貨供給量を通貨政策の監視指標として使用してきた。しかし近年、中国債券市場と銀行のオフ・バランスシート・ビジネスによる融資の規模の増加により、社会融資の構造が大きく変化したため、中国人民銀行は今年5月、通貨政策の監視指標を新たに変更した。中国人民銀行のある情報筋は、2011年の社会融資規模は14兆元になると漏らした。

 瑞信方正証券の中国研究部門の主任研究員・陳昌華氏が6月25日に「鳳凰網」に発表した当該論文では、中国人民銀行が公表した社会融資規模の範囲をベースとして、2010年末の社会融資総額は13.4兆元に達していると試算している。そのうち、銀行のオフ・バランスシート・ビジネスによる融資額は2009年の1.6兆元から3.8兆元まで急増した。

 さらに陳氏は、国際決済銀行傘下のバーゼル銀行監督委員会の統計方法を用いて、債務残高とGDPとの関係を分析した結果、2011年3月末まで、中国の債務総額がGDPに占める割合がその長期的トレンドから言えば、基準値から19ポイントも乖離しているとの結果を出した。バーゼル銀行監督委員会が決めた一国の短期的債務残高が当該国のGDPに占める割合は、その長期的トレンドから言えば、10ポイントが基準値となっている。

 陳氏はまた同論文で、次の二点について警告した。一点目は、中国経済全体の債務残高(多くの部分は地方政府によるもの)が高すぎれば、金融政策の全体に及ぼす影響が出てくること。二点目は、銀行のオフ・バランスシート・ビジネスによる融資行為を規範としなければ、金融面のハイリスク要素を取り除くことが不可能になること、である。

 中国国家審計署(会計検査院に相当)が6月27日付けで公表した2010年末時点の地方政府の債務総額は、当年のGDPの3割相当の10兆7千億元に達した。大半の債務は地方政府傘下の投資会社のもので、不動産やインフラ建設に充てているという。

 地方政府がこれほど膨大な債務を抱えている中で、一部の地方政府はすでに返済不能な状況に陥っている。一般企業ならば倒産も考えられるが、地方政府の場合は倒産するわけにもいかない。中央政府として、これらの債務から地方政府を救済するためには、通貨供給量を増やす方法でヘッジする以外にない。しかし、通貨供給量の増加は更なるインフレを意味することから、中央政府の対応がかなり厳しい状況に晒されていることは否めない。

(翻訳編集・林語凡)

 (11/07/06 06:30)  





■キーワード
債務残高  社債  オフ・バランスシート・ビジネス  通貨政策  


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