トランプ氏の全世界関税 最高裁判決受け新段階へ 市場は利下げ加速を予想

2026/02/21
更新: 2026/02/21

トランプ米大統領は2月20日、最高裁判所の判決を受け、10%の全世界関税を課すと発表した。

トランプ氏は記者会見で、「本日、私は第122条に基づき、現在課されている通常の関税に加えて10%の全世界関税を課す命令に署名する」と記者団に語った。

同氏は最高裁の判決を「非常に失望した」とし、一部の判事たちを「恥ずべきだ」と非難した。

「最高裁の特定のメンバーを恥ずかしく思う。国家のために正しいことをする勇気がないことに、心底呆れている」と大統領は述べた。

トランプ氏によれば、「裁判所が誤って却下した関税に代わるもの」として、今後は他の選択肢が追求されるという。

同氏は、1974年通商法122条、201条、301条、および1930年関税法338条を含む複数の手段を挙げた。

「朗報なのは、このひどい判決の中で全裁判官が認め、また議会も言及している手法、慣行、制定法、権限が存在することだ。それらは、合衆国大統領である私が利用できるIEEPA(国際緊急経済権限法)による関税よりもさらに強力だ」と大統領は述べた。

1974年通商法122条は、米国に対して「巨額かつ深刻な」貿易黒字を抱える国に対し、大統領が最大15%の関税を課し、場合によっては輸入量を制限することを認めている。

この関税の期限は150日間である。この5ヶ月の期間を過ぎると、政権は延長のために議会の承認が必要となるが、中間選挙が近づく中でそれは困難なハードルとなる可能性がある。

同法の301条を利用すれば、不公正な貿易慣行の疑いに関する一連の調査が開始され、さらなる関税につながる可能性がある。

この法律は大統領に対し、関税や制裁を通じてこうした慣行に対処する広範な権限を与えている。また、ジェイミソン・グリア通商代表部(USTR)代表に対し、ホワイトハウスが米国の通商協定に違反しているとみなす外国政府の政策を調査し、行動を起こす権限も与えている。

トランプ氏は、最高裁の判決が経済に「より大きな確実性」をもたらすと示唆する一方で、「我々には自分たちが望むことをほぼ何でも実行する権利がある」とも述べた。

トランプ氏は、IEEPAの権限を使って大統領が「1ドルの収入」も上げることを禁じた最高裁の決定を批判した。

スコット・ベッセント財務長官は、新たな権限の行使によって収益予測が変わることはないだろうと述べた。

ベッセント氏はダラス・エコノミック・クラブでの講演原稿の中で、「財務省の試算では、122条の権限に加え、強化される可能性のある232条および301条の関税を組み合わせることで、2026年の関税収入は実質的に変わらない見通しだ」と述べた。

市場の反応

独立系の資産運用・投資アドバイザリー会社、ボルビン・ウェルス・マネジメント・グループのジーナ・ボルビン会長によれば、最高裁の決定は「概ね織り込み済み」であったため、週末の取引セッションで米株市場は小幅に上昇した。優良株で構成されるダウ工業株30種平均は0.4%上昇した。ハイテク株中心のナスダック総合指数とS&P 500種株価指数は約0.6%上昇した。

ボルビン氏はエポックタイムズへのメールの中で次のように指摘した。「(今回無効化された)IEEPAに基づく関税は、全関税の約6割を占めていた。そのため、この判決によって関税負担が軽減され、経済への悪影響は限定的なものにとどまる。市場では、コスト圧力が弱まるとの期待から小売関連株が買われている」

同時に、独立系の資産運用・財務コンサルティング会社、ハリス・フィナンシャル・グループのマネージング・パートナー、ジェイミー・コックス氏によれば、大統領による包括的な全世界関税が無効化されたことで、インフレ期待が低下し、利下げ期待が高まる可能性がある。

CMEフェドウォッチ(CME FedWatch Tool)のデータによると、先物市場は依然として6月の0.25%の利下げを織り込んでいる。

コックス氏はエポックタイムズへのメールで、「関税によるインフレ懸念が和らいだため、最高裁の決定は早期利下げへの道を開くだろう」と述べた。

主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は約0.1%下落した。同指数は週間では約0.9%の上昇を記録した。

米国債利回りはわずかに上昇し、指標となる10年債利回りは4.08%前後で推移した。

アンドリュー・モランは10年以上にわたり、ビジネス、経済、金融について執筆。「The War on Cash.」の著者。