THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(48)中共2012の政情を占ういくつかの要素(一)

2012年01月16日 10時29分
 【大紀元日本1月16日】新年早々、中共の権力中枢でいくつの異常な挙動があり、それらは今年の政治情勢を占うために有力な材料になるものと思われる。

 中共の理論や観点を代表する最も重要な中共中央機関誌『求是』は、年始の第1期に2篇の重要文章を掲載し、中国問題研究者をはじめ、国際メディアからも注目されている。

 多大な反響を呼んだ文章は、「中国の特色ある社会主義文化の発展の道をしっかりと歩み、社会主義文化の強国の建設に努めよう」(胡錦濤が中共17大第6回総会の2回目の全体会議での講話の一部)と、社説「我が国の現段階の道徳状況を正しく認識せよ」である。

 まず、胡錦濤の文章(以下、胡錦濤「談話」とする)を見てみよう。胡錦濤の文章の主旨は、次のようなものである。

 「世界範囲であらゆる思想文化が交流、融合、より頻繁に激闘する背景に、誰かが文化発展の高地を占領できれば、強大な文化的ソフトパワーを手にし、激烈な国際競争の中で主導権を握ることができる」

 そして、それを前提にして次のように中共の文化建設を呼びかける。

 「われわれは、国際の敵対勢力が我が国を自由化させ、分化させる戦略的な企みを急いでいることをはっきりと認識しなければならない。そして、思想文化領域は、彼らが長期にわたって浸透する重点的領域なのである。したがって、われわれは、イデオロギー領域における闘争の厳重性と複雑性を深刻に認識し、警鐘を長く鳴らし、警戒を長く保ち、有力な措置を講じて防備、そして対抗していかなければならない」

 フランス通信社は、胡錦濤は「国際の敵対勢力」と言っているが、具体的なものが示されていないと指摘する。

 AP通信も、「胡錦濤は誰が敵対勢力であるかを指摘していないが、多くのことを求めている国民に対し、中国の指導者らは自ら自分たちの合法性を高めなければならない。よって、彼らは自分たちが西側とイデオロギーや文化における戦争をしているように見せるのである」と、報道している。

 「中共は、社会主義の原則を強化することを以って、言論自由などの普遍的価値観を呼びかける中国人の自由への訴えに対抗している。中国のメディアは、つねに普遍的価値観を西側の理念とするが、それは中国の特殊な国情に合わないとしている」

 「中国の指導者は、民衆からの圧力を受けている。とびぬけて大きな貧富の格差や汚職腐敗や、経済の高成長に伴う一連の不法行為に対し、民衆ははなはだ不満である。経済の成長と公共メディアの普及に伴って、民衆はもはや政府を批判する権利があると感じるようになったのである」

 「アラブの春運動の中で、民衆たちがエジプトとチュニジアの独裁政府を倒した後、中国政府も先手を打ち、インターネットを厳しく監視し、中国の政治活動家たちの抗議運動を阻止している」

 ロイター通信は、中国政府は文化管理部門に対し、世界に中国のソフトパワーを全力に推し進めようと命令し、450億人民元(40億英ポンド)を出し、海外において中共のあらゆるメディアを広げる方針である、と報道している。

 中国の歴史学者・章立凡氏は、アメリカの声のインタビューで胡錦涛の談話の内容について次のように見ている。第一、統制者たちは文化において自信がないこと。第二、その政策実施は、文化の繁栄を促すためではなく、利益集団内の人たちが文化の領域でまたお金を集めるチャンスがあると見て、国の政策として打ち出させた可能性がある。

 章氏はさらに言う。「中共18大開催前、雑音を消さなければならないが、しかしこういったやり方は実際、多くの批評家を中共と対立する立場に押し出し、非常に愚かな政治挙動だ」

 中国問題専門家・程暁農氏は、共産党が最も警戒し恐れているのは、国民が目覚めることである。中共にとって、欧州から伝わってきたマルクス主義は外国の文化ではないが、民間で普及しつつあり、とりわけネットユーザの間で次第に根を下ろしている民主、人権、自由の価値観など、中共を困らせるあらゆるものが排除すべき西側のものとされている。したがって、今、中国の社会が非常に危険な境地に陥っているにもかかわらず、中国政府はなお棍棒を振り回し、真実を言う者の頭をなぐっているのである。

 <続く>

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