鳥インフル、毎年発生も報道されず 獣医師「今回は遺伝子変異でヒト感染」

2013年04月10日 18時30分
中国衛生関係者が鶏の死骸を回収(AFP)

【大紀元日本4月10日】ヒトへの感染により、中国国内で相次ぎ死者を出しているH7N9型鳥インフルエンザ。当局の4月9日までの発表によると、上海市とその周辺地区で28人が感染し、うち9人が死亡した。匿名の専門家が大紀元に寄せた情報によれば、家畜や家禽への大規模感染は昨年末からすでに中国の一部地区で発生していたが、当局は公表していなかった。それが今回「ついにヒトへの感染に発展して、隠しきれなくなった」と述べる一方、当局が発表するデータは改ざんされており信用できないとも指摘した。

 隠ぺいのあとの「公表」

 中国農業部の4月4日夜の発表では、上海の家畜卸売市場でH7N9型ウイルスに感染した食用鳩を発見。この個体から検出されたウイルスは、周辺地区でヒトへ感染したウイルスと「高い同源性を持つ」ものであるという。同農業部の国家首席獣医師の于康震氏は、このウイルスは新型ウイルスであると指摘し「ウイルスの病原は不明で、感染ルートも解明できていない。さらに広い範囲で検出される可能性がある」としている。

 このような中、中国の高級獣医師・林泰華氏(仮名)がこのほど、大紀元の記者に情報を寄せた。

 同氏の話によると、中国の一部の地域では、すでに昨年12月から家畜間の鳥インフルエンザが大規模に発生していた。今はそれが、中国の東部から西部に拡大している。

 「中国国内では、鳥インフルエンザが毎年発生している。H7N9型ウイルスは長年の遺伝子変異の結果だ。そして今回、ついにヒトへの感染に発展した」

 同氏の情報では、昨年4月から5月にかけて、河北省石家荘市で発生した鳥インフルエンザは最も深刻で、家畜の死亡率は80%に達したという。

 また、昨年12月頃から、河南省や、山西省、陝西省などの各地で、ニワトリの鳥インフルエンザが大規模に発生し、陝西省では約50%が病死または殺処分された。

 「当局はこのことを公表せず、報道もしなかった。20数年来で、これほどの感染は初めてだ」

 同氏は、今回の上海市周辺地区でのヒトへの感染は、感染した家禽からのものであるとともに、当局が現在発表している数字は信用できないとして、次のように述べる。

 「ヒトへの感染を隠しきれなくなったため、当局は公表し始めた。しかし、そのデータは大きく改ざんされている」

 死骸で埋まる河川

 同氏の見解を裏づける報道も少なくない。今年3月から、中国各地の河川に、大量の豚やアヒルの死骸が不法投棄されたことが相次ぎ報じられている。

 3月頃には、上海市の黄浦江では約1万6千頭の豚の死骸が回収された。3月中旬には、四川省眉山市の川で千羽余りのアヒル、4月初めには、江蘇省常州市の黄河の河川敷で百頭あまりの豚、および四川省西昌市の川でも約百頭の豚など、各地で家畜や家禽の屍骸が大量に捨てられる事態が続いている。

 このような家禽が広範囲にわたって大量投棄されている現状について、当局は、まだ大規模感染症の発生を認めていない。

 さらには、上海市民の水源である黄浦江に大量の豚の死骸が浮いていても、現地当局は一貫して「水質への汚染はない」と主張してきた。その矢先に発覚したのが、今回のH7N9型ウイルスのヒトへの感染だった。

 西北農林科技大学の獣医師・劉増耀氏のミニ・ブログへの書き込みは、林泰華氏の情報と同様の状況を伝えている。

 「毎年、初冬と初春には、口蹄疫と鳥インフルエンザが各地で発生する。政府は情報を隠ぺいしてきたが、今回は隠し通せなくなったため、公表するしかなかった」

 一方、「渡り鳥が持ち込んだ可能性も排除できない」「中国と韓国のウイルスの『混合』であるかもしれない」として、部分的ながら、外来の要因の可能性を主張する中国科学院の専門家もいる。

(記者・古清児、翻訳編集・叶子)


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